脱プラ、無駄を省く、ごみを減らす…こんな選択をする人が増えた結果、「量り売り店」が増えてきました。
それ自体は喜ばしいのですが、気になるのは「衛生面」。
特にお店は、「持参容器が汚くて、結果として健康被害が出たらどうしよう……」こう考えてしまうのが当然です。そんなお店が「量り売りだけど、うちのビンを毎回購入して下さい」と言っても、強く否定はできません。
けれども、それでは無駄が減りません。では、どうすればいいのでしょう。私たちが持参する容器がピッカピカであれば、そんな心配も減ると思いませんか?
量り売り店に容器を持参する場合は、ぜひキレイに洗って乾かしましょう。けれども、ガラスビンはなかなか乾いてくれません。汚れると、きれいにするのも大変です。
そこで今回は、「ガラスビンをキレイに乾かす方法」「家庭でできる洗浄方法」をご紹介します。
ビンにも脱プラを!
酒類の場合、ガラスが便利
まず、お酒の量り売りの場合は、ガラス瓶が便利です。
この焼酎ビン、フタは木とコルク製。コルク部分がむき出しではなく、プラスチックコーティングされています。使われているプラスチックは、インクとこれだけです。
じゃがいも焼酎をおいしく飲んだ後は、量り売りに利用しましょう。
このビンは、フタがプラスチック製です。ただ、お酒には直接触れていません。何度も使うことによって、資源の無駄を省けます。
ガラスビンは、アルコールの殺菌作用で、普通はかびません。ただ、お酒を入れっぱなしにしてアルコール分が低くなると、色々問題が起こることがあります。
しょう油の量り売りは「コンプラ瓶」

これは、堀河屋野村のコンプラ瓶です。しょう油の量り売りに使っています。

このビンは、中身を循環させるのが、長持ちさせる秘訣です。
ビンにしょう油由来の菌が住み着いているので、そんなに洗う必要はありません。使い終わったらさっとすすぎ、ひっくり返して水気を切り、すぐに量り売り店で補填してもらいましょう。
ガラスビンをキレイに乾かす方法
キレイに乾かす
一番大変なのが、「きれいに乾かす」こと。入り口が狭いビンは、どうしても乾きにくいのです。
こんな時、おすすめするのが、「アルコールで水分を飛ばす方法」。どうすればよいのか詳しくご紹介します。
お湯でビンをすすぐ
お酒のビンを水ですすいだ後、一番最後は、お湯ですすいでください。ビンを温めることによって汚れが落ちます。そして、この後の作業がしやすくなるのです。
消毒用エタノールで水分を飛ばす
用意するものは、「消毒用エタノール」。今なら、皆さん持っているかもしれませんね。
このアルコールは飲めません。飲めないように、純粋なエタノールに、ちょっとだけ「イソプロパノール」が入っています。
ビン中の水分はすべて蒸発するので、私は使っても問題ないと思っています。ただ、「イソプロパノールが残っていたらどうしよう……」と気になる方は、水洗いした後、ひたすら温めて乾燥させてください。
あと、いろんな香りがついているアルコールは使わないでくださいね。
ビンにアルコールを少しだけ入れて、内部を全体的に濡らします。そしたら、アルコールは捨ててOKです。
この作業で水とアルコールが一緒になり、カンタンに蒸発してくれるのです。
ひっくり返して日に当てる

ひっくり返すと、余分な水分が落ちてきます。こんな感じで、大体の水分を出してしまいます。
そのとき、ビンの口をべったり布につけないのがコツ。少し隙間を開けると、アルコールがそこから飛んでいきます。
温めた方が早く乾くので、天気が良ければ窓側、冬なら暖房器具の前に置きます。なお、最初にお湯でビンをすすぐと、この時にアルコールが飛びやすくなるのです。
それでもダメなら、ドライヤー
どうしても乾かないときはドライヤーを使います。
口から暖かい空気を入れてもいいし、上手に入らないときは、ビンを外から温めても大丈夫です。
すぐお酒を入れてもらおう
ビンを乾かしたら、できるだけ早く量り売り店に行って、お酒を入れてもらいましょう。
きれいに見えても、お酒の成分が必ずビンに残っています。そして完全に乾ききるには何日もかかります。水分が残っていると、すぐかびてしまいますよ。
家庭でできる洗浄方法
出来るだけ早く使い切るのが大切
ビンをきれいに保つためには、「雑菌を増やさない」「ビンを汚さない」この2つが重要なポイントです。そのためには、できるだけ早く使い切るのが、何より大切。
しょう油を使いきれないときは、いつも使う調味料を見直すことをおすすめします。
たとえば、冷蔵庫を見ると、「ドレッシング」「たれ」「つゆ」「ポン酢」などが入っていませんか?これには大体しょう油が使われています。
素材の味を生かしたければ、味付けは塩、しょう油で十分。サラダを食べているのではなく、ドレッシングを食べていませんか?豆腐も、本当は豆の味がするのですよ。
素材を厳選し、しょう油や塩をメインで使うと、しょう油はすぐ消費できます。
こうやって、まずは酒やしょう油を早く循環させる環境を作るのも大切です。
ちなみに、塩も種類が豊富。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ブラシでこする
どうしても汚れがついてしまったら、ブラシでこするのが一番です。
ただ、口が狭いので市販のブラシは入りません。そこでおすすめなのが、このブラシ。
一番小さいブラシだけナイロン製ですが、あとは豚毛です。柄の長さが、Lでも23cmなので、短いと思う方は、コチラのブラシが良いかもしれません。

こちらはヤギ毛、柄が30cmです。
これら2つのブラシは、柄がステンレス製なので、自由自在に曲げることができます。理科の授業で試験管を洗う時に使った覚えはありませんか?それと同じ作りです。学校、研究機関でも使われていますから、丈夫で長持ち。変な成分が出てくる心配もありません。
実は、研究機関と同じ方法
そして、初めに紹介した「アルコールで水分を飛ばす方法」。実は、研究機関では一般的な方法なのです。研究機関では、ガラス器具を超音波洗浄機で洗った後、イオン交換水ですすぎます。そのあと、有機成分を落とし、ムラなく乾かすために、アセトンですすぎます。
ただ、一般家庭でアセトンは扱えないので、不純物が極力入っていない「消毒用エタノール」で代用しました。研究機関のように超音波洗浄機を使えば、汚れはきれいに落ちます。焼肉店、メガネ店で見かける機会がありますよね。

ただ、「一升瓶が入るモノ」となると……それだけのために買いますか?それこそ無駄になってしまいます。
なので、
- 汚れないように使いまわす
- 汚れてしまったらブラシでこする
これが現実的で無駄のない方法だと思います。
脱プラを生活の一部に
色々と手間がかかる「量り売り」。けれども、使い捨てが気候危機を後押しするのも事実です。おいしい野菜、肉や魚を買って、楽しく調理するのが、「自分の健康」「地球環境」にとって健全なのかもしれませんよ。
そんな生活を楽しみつつ、量り売りを生活の中に組み込んでみてください。今はプラスチック容器に入っている食品ばかりですが、そのうち量り売りが主流になれば、もっと便利なリユース容器ができるかもしれません。
私たち一人ひとりの行動が、気候危機のカギになるのです。
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