最近やたらと起きる「百年に一度の災害」「政治家スキャンダル」「芸能人の事故」……大手メディアが騒ぎ立てる「騒動」の数々。その陰で、いろんな事がこっそり決まっていませんか?
このしくみを「政府にとって大惨事は、民衆を思いのままに支配する政策を実行に移す、絶好のチャンスである」と看破したのが、ジャーナリストのナオミ・クライン。「ショック・ドクトリン」という本で、詳しく解説しています。
そして、この本を分かりやすくまとめたのが、国際ジャーナリストの堤未果さん。2023年6月1日に本が出ました。
おまけに「NHK Eテレ」の「100分de名著」で、堤未果さんが「ナオミ・クライン ショック・ドクトリン」を解説しています。
ココでは、堤未果さんの著書をもとに「日本」で起きている「ショック・ドクトリン」をご紹介します。
「ショック・ドクトリン」の勝者は「お友達企業群の株主である大富豪」。一般市民は必ず負けるしくみになっています。ですから、この騒ぎに巻き込まれないための対策が大切ですよ。最後にご紹介しますので、それを「自己流」に変えて、騒動に備えましょうね!
「ショック・ドクトリン」とは
「ショック・ドクトリン」とは
テロや戦争、クーデターに自然災害、パンデミックや金融危機、食料不足に気候変動など、ショッキングな事件が起きたとき、国民がパニックで思考停止している隙に、通常なら炎上するような新自由主義政策(規制緩和、民営化、社会保障の切り捨ての三本柱)を猛スピードでねじ込んで、国や国民の大事な資産を合法的に略奪し、政府とお友達企業群が大儲けする手法です。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p37
「政府とお友達企業群が大儲け」って、最近よく目にしますよね~。
その「騒動」本物ですか?
最近では「コロナ禍」が一番大きい「騒動」でした。国民がパニックで思考停止している隙に、こんなことが起きていましたよ~。
任意のはずのマイナカードが……
作るだけで2万円分のポイントがもらえる「マイナカード」
「作るのは任意」のはずが、知らないうちに「強制」になっていませんか?
これも、最初から仕組まれていたんです。
コロナ禍で決まっていた「活用」
2020年4月7日、政府はこんな「閣議決定」をしていました。
「まさに、今回の危機をチャンスに転換し、政府として……デジタル・ニューディールを重点的に進め……社会変革を一気に加速する機会としなければならない」
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p66
その文章がコチラ
「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の変更について 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)の全部を別紙のとおり変更する。令和2年4月20日閣議決定 より 2023/6/5引用
日本で新型コロナ感染者が確認されたのが2020年1月。それからわずが3か月弱で「危機をチャンスに転換し……」
「あわせて、マイナンバーカードを通じた行政サービスの提供を推進する観点から、マイナンバー・マイナンバーカードの更なる活用も見据えた検討も含め……」
「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の変更について 「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月7日閣議決定)の全部を別紙のとおり変更する。令和2年4月20日閣議決定 より 2023/6/5引用
……ということを、具体的に考えていたんですよ。
そして「マイナンバー事業」は「NTTコミュニケーションズ」が随意契約
その「NTTコミュニケーションズ」には、大量の「総務省幹部OBが天下り」しています。
まさしく「国や国民の大事な資産を合法的に略奪し、政府とお友達企業群が大儲けする手法」じゃないですか?
これは「一例」にすぎません。もっとひどいことが「騒動」のドサクサに紛れて行われています。
天下りよりヒドイ「回転ドア」
先ほど「天下り」と言いましたが、「回転ドア」というしくみもあるんです。
ショック・ドクトリンが機能するために、絶対欠かせないものの一つ。それは、政府と企業の間をキーパーソンが行き来する「回転ドア」です。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p109
たとえば、日本の「回転ドア」はこんな感じ。
国際医療福祉大学教授で、厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードメンバーの和田耕治委員は、2022年8月に、ファイザーのワクチンメディカルアフェアーズ部門の部長に栄転。
テレビに頻繁に出演し、ワクチン接種を推奨する発言を繰り返していたワクチン分科会の坂元昇委員は、ファイザー臨床開発統括部長を5年勤めていました。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p173
つまり「民」「官」を行き来することで、高報酬や退職金をガッツリせしめるのが「回転ドア」。このお二人は「一例」にすぎません。
準備は着々と進む
都道府県レベルでは、こんなことが進んでいますよ。
教育委員にファイザー役員
東京都の教育委員に、ファイザーの現役役員が起用されました。
2022年2月には、東京都がファイザーの日本法人執行役員である宮原京子氏を教育委員に任命。教育委員会は、学校に対してワクチン接種やマスク着用などのガイドラインを出す機関で、その5人の委員の1人ですから、非常に影響力がある立場です。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p173
こういう立場の人に「利害関係者」を選ぶ……おかしくないですか?
そして、こんな計画も着々と進んでいます。
すべてのワクチンをm-RNAに?
「新型コロナワクチン」の工場が作られていますよね。
それって「これから毎年m-RNAワクチンを打つ」という事ですか?
モデルナのCEOは、次々に自社工場で新しくつくられるワクチンについて、こんな表現をしています。
「たくさんの人が、9月になると新しいiPhoneを手に入れて、最新のアプリを入れたり、今あるアプリを更新したりするだろう?私たちがやろうとしているのはそれと全く同じ考え方なんだ。コロナやインフルエンザなどの呼吸器感染症、そういうのを全部まとめて1つのワクチンに加工して、毎年定期的に接種できるようになる。便利だろう?あと5年以内に完成だ」
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p187
……というか、そのワクチン。本当に効果ありましたっけ?
太陽光パネルでも「回転ドア」
2020年に菅総理が「2035年までに、新車は全て電気自動車に」と言い出しました。
ココにも「回転ドアを行き来するキーパーソン」がいましたよ~。
その人物とは、経産省参与の水野弘道氏でした。
政治の世界に偶然はありません。
水野氏の場合は、参与として官邸に続く回転ドアをくぐっただけではありませんでした。彼は企業の社外取締役を兼任したまま参与をしていたので、何度もドアを行ったり来たりしていたのです。
その企業とは他でもない、EV車の売り上げで世界トップを誇るテスラでした。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p261
「政治家が突然言い出すこと」は、要注意なのです。
騙されないために……市民ができる事
そんな「騒動」に巻き込まれないために。私たちには、こんなことができますよ!
「大惨事は、彼らのチャンス」と自覚する
ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」では、現代を「惨事便乗型資本主義」と表現しています。つまり、国民にとっての「大惨事」は、お友達企業群にとっての「チャンス」なのです。
日本では「南海トラフ地震が起きる」「富士山が爆発する」と言われていますけど、
お友達企業群は政治家をカネで操り「その後」のシナリオを用意している、と思った方がよさそうです。
「お金がもらえる」は要注意
「マイナカード」のように、芸能人がCMをしている(つまり、経費が掛かっている)のに「お金(ポイント)がもらえる」……それって、変じゃないですか?
政府や企業が言う
- 無料
- カンタン
- 便利
には「元が取れるしくみがある」と考えましょう。契約書や規約を読み「しくみ」を把握、それでもいいと思ってから「サイン」ですよ~。
色々ある「文句の言い方」
たとえば、デジタル庁に言いたいことがある方はコチラ
匿名でも投稿できます。
省庁は体質が古いので「件数」を重視することも。ですから、どんな意見でも「届ける」のは意味があるんです。
あと、こんなことも。
SNSに全然関係ない話題を投稿する際に、「#回転ドア」などのハッシュタグをさりげなく添えて出すのも、意外に効果があなどれません。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p263
よくTwitterで「@kishida230」を見ますが、それと一緒かもしれません。
条例を作る・意見書を提出する
乱立する太陽光パネルには「太陽光発電規制条例」で対抗。
「種子法廃止」には「種子条例」で対抗。
「パンデミック条約」に対して「協議内容や国民生活への影響等を、もっと分かりやすく説明してくれ!」という意見書を出した自治体もあります。
釧路市議会 令和5年第5回12月定例会 意見書案第21号 パンデミック条約締結及び国際保健規則改正にかかる情報開示を求める意見書 令和5年12月15日 原案可決 より 2024/1/6引用
ゲノム編集食品に関しても「消費者に分かるように説明してくれ!」という意見書を出した自治体がありますよ~。
静岡県議会 令和5年9月定例会意見書・決議(令和5年10月13日可決) より 2024/1/8一部引用
訳が分からない政策があるときは、地方自治体の議員に疑問をぶつけてみましょう。具体的な回答を得られれば、それが「知識」として残りますよね。知識があれば「政府のウソ」を見破れますし、パニックにならずに済みますよ。
五感の再起動
騒動に巻き込まれると「いったい何が起きたの⁉」とパニックになり、情報が欲しくなります。ただ、そんな時に得られる情報は、大体不正確なんです。
そんな時だからこそ「自分の感覚」を取り戻し、信じるのは大切。
堤未果さんが9・11に巻き込まれ、後日PTSDを発症した時。最終的に「人断ち」をして五感を再起動させたそうです。
自分の手の温もり、立ったときに足の下にある地面、さらさらと風にそよぐ葉の音に、鳥たちのさえずりに虫の羽音、木漏れ日のきらめきや、朝と夜の空気の密度と匂い、道端のたんぽぽの鮮やかな黄色……。まるで、今まで一時停止していた五感が、再び動き出しフル活動し始めたかのようでした。
堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 堤 未果 著 幻冬舎新書 p31
私もよく「神社仏閣」に行き、「素材の味がするご飯」を食べます。
そうすると、ジャンクフードの匂いが毒々しく感じられ、水や空気の味が鮮やかになるんです。その状態で「騒動」を客観視すると、裏に隠れた「真実」が見えてくるかもしれませんよ!
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