使い捨てプラスチックを減らす努力「脱プラスチック」が、世界中ですすめられています。
実は、「脱プラスチック」と「脱電気」は相性抜群。この「脱」を極めると、「節約」「節電」つまり、お金を使わなくなるのです!
「脱プラスチック」と「脱電気」。やってみたいと思いますよね。けれども、何をどうしてよいのか……よくわからないのも事実です。そういう方におすすめの二冊をご紹介します。
この本には、脱電気を実践した方々のアイデアが詰まっています。できることから取り入れて「脱電気」生活を楽しみませんか?
非電化思考のすすめ
この本の著者 藤村靖之さんは、大学卒業後、企業で儲かる発明をしまくっていました。どんどん仕事をしていたある日、お子さんの病気が分かります。
空気のいい海辺の町で大事に育てていたつもりの二歳の息子がアレルギー喘息にかかったのをきっかけに、会社を辞め、アレルギー問題の研究に着手し、同時に「カンキョー」という名の会社を起こした。
スロー・イズ・ビューティフル 辻信一 著 平凡社 p83
これは、藤村さんの私塾「発明起業塾」で学んだ辻信一さんの著書です。
お子さんの病気がきっかけで、科学技術との付き合い方をゼロベースで見直したのです。そんな時、東日本大震災を経験しました。
人や世の中にとっての本当の幸せは何かということを、もう一度考えてみたほうがよいのではないだろうか、そのためにこれまでの文明を牽引してきたエネルギー(電力)との関係を見直してみたらどうだろうかと考えているのです。
非電化思考のすすめ 藤村靖之 著 WAVE出版 p48
そうして生まれたのが「非電化」という考え方でした。
では、実際どんなものを手作りしているのか、ご紹介します。
冷蔵庫
たとえば、モンゴルで羊の肉を保存したいとき。
彼らの生活の糧である羊の肉はたった3日で腐ってしまいます。そこで僕は、「非電化冷蔵庫」というものを発明しました。モンゴルの空気はいつも住んでいるので、真夏でも庫内は4℃以下を保てます。
非電化思考のすすめ 藤村靖之 著 WAVE出版 p90
地元の方に、泣いて喜ばれたそうです。
非電化ストローベイルハウス
土、木、藁など、100%自然素材の手作りの家です。B&B(簡易宿泊施設)として宿泊することもできます。天窓を利用した換気扇、非電化換気孔などを備えており、電気はいっさい使用しません。素人の弟子4人が2ケ月で作りました。費用は約20万円です。
非電化思考のすすめ 藤村靖之 著 WAVE出版 p96
非電化バイオトイレ
便を微生物の力で分解して、肥料にすることができるトイレです。微生物を働かせるためには一定の温度が必要なので、バイオトイレでは電気ヒーターを使うことが普通ですが、太陽熱と潜熱蓄熱材という特殊な蓄熱材料を利用することで、寒い那須でも「非電化」を実現しました。費用は約10万円です。3人の弟子が1ケ月で作りました。
非電化思考のすすめ 藤村靖之 著 WAVE出版 p98
いきなりこんな「箱モノ」は作れないなぁ、と思いますよね~。もっと簡単な本があります!
農家に教わる暮らし術
農家の方が「百姓の知恵」を一冊の本にまとめています。
この本にも、露天風呂からオンドルまで「規格外のモノ」が並んでいますが、お手軽にできそうな、脱プラ非電化製品をご紹介します。
えひめAI
これは、愛媛県工業技術センターで開発された環境浄化微生物です。
えひめAIは、腐敗を発酵に導く、強力な微生物です。排水溝、トイレに入れると悪臭が消え、汚れたワイシャツにつけて洗たくすると、汚れが取れやすくなります。
そして、食べられるもが原材料なので、飲んでしまってもOK。入浴剤としても使うことができます。
これが「非電化」?ちょっと違うかもしれませんが、脱プラスチックにはなります。入浴剤、洗剤、脱臭剤、これ一本で大丈夫ですよ!
段ボールコンポスト
電動コンポストは高額だし、外には置けません。
段ボールコンポストは、段ボールとガムテープがあれば作れます。自分でたい肥を作り、土壌微生物を知り尽くしている「農家」ならではの知恵です。
太陽光温水器
総材料費わずか3万円!案外手軽にできるのです。
ただ、この温水器は「塩化ビニル」製。あまりおすすめできません。ただ、原理が分かれば他の材料で製作可能。
この本には、全体図や作り方の詳細が載っています。
水力発電所
自宅の敷地内に小川が流れている方にはおすすめの「水力発電所」。10kW未満の発電なら、電気事業法の手続きは不要です。
おすすめの小型発電機ユニット、設置の仕方も図説。自分で設置できそうです。太陽光パネルは使用後ごみになりそう、自分で屋根には取り付けられないし……と思う方には、こちらの方が良いかもしれません。
興味のある方は、企業に問い合わせてみてください。
脱プラ&非電化は、やってみたら簡単
私も出来るだけ電気を使わず、ご飯を作っています。
プラスチック製品と電気はとても仲良し。脱プラするためには、家電製品を使わないのが近道でした。これから石油に頼れなくなります。薪ストーブを使うのなら、そこで料理をすれば一石二鳥!ここではガスを使って加熱調理する方法をご紹介します。
まず、できることから始めてみましょう!すると、ムダが減り、お金がたまります。どれだけ企業に踊らされ、ムダなものを買っていたか……いろんなことに気が付けますよ!
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