「ネオニコチノイド」という農薬があります。これは、90年代に登場した「殺虫剤」で、当初「人間に害がない」というのがウリでした。さらに即効性、浸透移行性、残効性が高く「使い勝手が良い」ということで、あっという間に普及したのです。
ところが時間がたつにつれ、色んな問題が分かってきました。
ココでは「ネオニコチノイドの問題点」を、まとめてご紹介します。この記事を読めば、「特別栽培の農作物」の裏が、分かるようになりますよ!
環境や人体への影響
1990年代、ネオニコチノイド系農薬が使われ始めてすぐ、環境や人体に、いろんな影響が出始めました。
その一例をご紹介しますね。
ミツバチの蜂群崩壊症候群(CCD)
ネオニコチノイド系農薬が注目されるきっかけになったのが「蜂群崩壊症候群(CCD)」
農作物の受粉をするのは「ミツバチ」。ミツバチがいなければ、果物は壊滅的打撃を受けます。ですから、この事件は日本でも大問題になりました。
今では「ネオニコチノイド系農薬はミツバチに影響が出る」というのは、農薬会社も認めています。
ネオニコチノイド系農薬の裏を見ると、小さい文字で、こんな注意喚起がされているんですよ~。
ウナギがいなくなったのも「ネオニコ」のせい?
1993年ごろから、島根県の宍道湖付近の稲作農家が、ネオニコチノイド系の農薬を使い始めました。それと同時に、宍道湖の甲殻類や動物プランクトンなどが減り始め、翌年には宍道湖のウナギ、ワカサギが激減したのです。
色々調べた結果、「ネオニコチノイド系農薬の影響」という論文が「サイエンス」に発表されました。
空中散布で「体調不良」が増えている?
ネオニコチノイド系農薬は、節足動物の神経系に作用すると言われています。
これは、サイエンスに投稿した「東京大学 山室真澄教授」のTwitter。「魚はなぜ減った?」という本には、
ネオニコチノイド系農薬の影響に関して、詳しく書かれていますよ。
メーカーが明らかにした毒性の概要では、催奇形性、発がん性は認めらないそうです。けれども、頭痛や体調不良などの影響は、いろんな自治体で報告されています。(参考資料:松くい虫防除のための農薬の空中散布の今後のあり方 平成23年11月 農薬の空中散布検討連絡会議有人ヘリ松くい虫防除検討部会 )
こういう影響から、長野県松本市では、松枯れ対策で行われている「ネオニコチノイド系農薬の空中散布」が、別な方法に見直されました。
詳しくはコチラ
身近な所に「ネオニコチノイド」
森林や農地だけではありません。私たちは、ネオニコチノイドを毎日摂取してるかもしれません。
水道水・湧き水にも含まれる「ネオニコチノイド」
実は、水道水にネオニコチノイドが入っている場合が。
水道水には「水質基準」があるのですが、その項目に「ネオニコチノイド」はないのです。
ですから、知らないうちに飲んでいるかもしれませんよ……
湧き水からも「ネオニコチノイド」が検出されています。知らないだけで、かなり身近な農薬だって、分かりましたか?
「特別栽培農産物」にも「ネオニコチノイド」
スーパーでよく見る「特別栽培農産物」
特別栽培農作物の基準は「節減対象農薬の使用回数が50%以下」ですよね。つまり、ネオニコチノイドを使っていても、このラベルを使うことができるのです。
どういうことか、詳しく説明しますよ!
殺虫剤をまく回数を半分にすればOK
たとえば、ネオニコチノイド系農薬の「ダントツ」。このリンクの2枚目に「使用方法」があります。
「どの作物の、どんな時期に、何回使っていいのか」農家はコレを見て、ダントツの使用時期・量を考えます。
「特別栽培農産物」の場合、この回数を1/2にすればOK。極端なことを言えば、ネオニコチノイドは普通に使って、効果が弱い農薬を使わなければ、1/2削減できることもあります。
特に「特別栽培米」には、大体ネオニコチノイド系農薬が使われています。
「特別栽培」とは、こういう意味なのです。
洗っても落ちない「ネオニコチノイド」
「野菜についた農薬なら、洗えばOKじゃないの?」と思いますよね。残念ながら、ネオニコチノイド系農薬は浸透するので、洗っても落ちません。
さらに、「スパイス」からも検出されています。
コレ、洗えますか?
報道に反論する農薬会社
ネオニコチノイド系農薬の被害、色々あるのにあまり報道されませんよね。けれども、たまに報道されることがあります。
これはTBSで報道された、「もっとも使われている殺虫剤 ネオニコ系農薬 人への影響は」。
この番組放送後、「農薬業界」から反論がありました。
それに対し、専門家が反論。
「論文をちゃんと読んで」と専門家が言っています。これを読んで、「セラリーニ論文」を思い出しました。
業界は、金で事実を変えようとする
「ラウンドアップ」と「セラリーニ論文」問題。
大企業が販売している商品の有害性を突き止めた研究者が、その事実を証明した途端、大企業からあの手この手でバッシングされるという構図。これは世界共通のようです。
そして、この不条理が世間に広まらないのは、カネにモノをいわせているから。農薬会社はお金持ち。アチコチに広告を出して、報道各社を支えています。だから、大手報道機関は、こういう事を一面やトップで報道できないのです。
業界が変わっても、手口は一緒
そして、新型コロナワクチンに関する一連の報道も、一緒ですよね。
残念ながら、私たちは真実が報道されにくい世の中で生活しています。政府、大企業のいう「安全」がすべて正しければ、世の中に「薬害」「公害」はないはずですよ。
自分の身を守るためにも、いろんな情報を入手し、本を読み、真偽を自分で判断しましょう。公害、薬害で苦しむのは私たちですからね!
ココで調べてもらえます
「水道水・井戸水に入っているか調べたい」という方は、コチラに相談してみてください。
農民連食品分析センターは、寄付金だけで運営されている分析センター。企業の圧力や忖度がありませんので、正確な分析をしてもらえます。ちなみに……
ココで紹介した「グリホサート含有量の分析」も、農民連食品分析センターが実施しています。
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