最近よく聞く「脱炭素」「SDG’s」「脱プラスチック」などの言葉。
これをまとめると「石油・天然ガスを使いすぎてはいけない」ってことみたいですね。ただ、なぜ「プラスチック」「石油」がたくさん使われるようになったのでしょう。
ココでは、その「原因の一つ」をご紹介します。
コレを読めば「政府やグローバル企業の対策って効果あるの?」「それって嘘よね」と気づけるはず。まず、企業・政府の言うコトは「カネがらみ」なのです。その「大量に税金を使う対策」が本物なのか、考えるきっかけにしてくださいね~
石油をほとんど使わなかった時代は?
「石油をほとんど使わなかった時代」って、想像するのが難しいですよね~
そんな方は、この本を読んでみませんか?
これは、1930年代の熊本県須恵村(現あさぎり町)で調査を行ったアメリカ人のジョン・F・エンブリーさんの著書「新・全訳 須恵村」。
自給自足で豊かな生活
この本を読むと、衣食住のほとんどを近所で賄っているのが分かります。
味噌、漬物などほとんどの食料品は自家生産ができ、主食の米も自分の田んぼで作られるので、貨幣は塩や砂糖のような必需品にだけ用いられる。
新・全訳 須恵村ー日本の村ー ジョン・F・エンブリー著 農文協(2021)p371
つまり、自然が残っていれば、食べ物には困らないんです。
さらに使用人の賃金、屋根葺きなどは「米」がお金代わり。家の建築、田植え、橋の架け替えは「協同作業」なので、お金や米は不要です。
村のお金が、村から出ていかない
そして重要なのが「資産が村の中だけで循環する」ということ。
部落の全ての田の田植えが終わった時点で、大きな酒宴が催される。ほんの二、三年前にできた小組合の仕組みは、この問題について講演を聞いた教養あるある男性の一人によって始められた。こうした作業方法により、すべての仕事が部落の人によって行われ、部落から資産が出ていくことはない。部落や村の中に資産が守られている事は、須恵村では非常に強調されている点である。
新・全訳 須恵村ー日本の村ー ジョン・F・エンブリー著 農文協(2021)p180
この生活では、輸入品の「石油・天然ガス」は一切不使用。そして、貧富の差も目立ちません。
お金が地域に「貧富」を生み出した
ただ、こういう「濃厚な近所付き合い」は、色々と大変なんですよね~。それを解決したのが「お金」。お金さえあれば、人を雇って田植え・屋根葺きできます。
貨幣に対する依存が高まると、隣人の助けではなく雇用労働の利用が増える。雇用労働の利用は、面倒な価値の交換の煩わしさを無くす。他方、それは、最近までの農村生活には存在していなかった雇用主と被雇用者という新しい階級をもたらしている。
新・全訳 須恵村ー日本の村ー ジョン・F・エンブリー著 農文協(2021)p359
それが、村内に「貧富の格差」をもたらしました。それを見て「人々の意識」も変化していきます。
貨幣の使用の増加によって起こった変化の本質は、貨幣を売買のための便利な手段すなわち交換手段をみなすことから、貨幣それ自体魅力あるものとみなすことへの変化である。
新・全訳 須恵村ー日本の村ー ジョン・F・エンブリー著 農文協(2021)p359
つまり、生きるための「1つの手段」である「お金」が、「金持ちになりたい」という「目的」に変わっていったのです。
「お金持ちになる」ために「お金」が欲しい
だんだん「お金持ち」になるために「お金が欲しい」と考える人が現れます。
村内「貧富の格差」のきっかけ
須恵村では「機械化」が、そのきっかけを作ったようで……
農家では、機械製品が自家製のものに取って代わり、機械工具は、縄を作るために以前あったような組のような、小さな組の仕組みを破壊する傾向にある。
新・全訳 須恵村ー日本の村ー ジョン・F・エンブリー著 農文協(2021)p359
今まで「自家製」だったのを、「カンタン・便利」にして「金儲け」。今の商売と一緒です。
そして、こういう商売をする人たちは大体「貨幣それ自体魅力あるもの」とみなし「ケチが特徴となっている(p359)」と、エンブリーさんは分析しています。
ただ、村内にあるお金は限られますよね。だから、もっとお金持ちになりたい人は「外部からお金を持ち込む商売」を考えます。
そうだ、機械を大きくしよう!
そのために「機械の大型化」……大量に「生活必需品」を作り、安く販売すれば、金儲け可能。そこで、みそ、しょう油、漬物など「自家製」だったものを「工場で大量生産」するようになったんです。
ただ、ココで大きな問題が。
- 原材料の見た目・味にばらつきがある
- 時期によって製品の味が変わる
- 売る前に腐る
どういうことか、詳しく説明しますね~
原材料の見た目・味は「ばらつき」があって当たり前
生き物には「個性」があります。
たとえば、同じ親から生まれる「子ども」。育った環境は同じなのに、かなり違う「見た目」「性格」に育ちませんか?
それと一緒で「野菜」「果物」「魚」「肉」などにも「個性がある」んです。そんな原材料を使って「工場で大量生産」したら、ロットごとに違う味になる可能性が。それだとお客さんから「いつも一緒の味じゃない」と苦情がきますよね。
「いつもの味」を保つ職人技
「いつもの味」……たとえば、ようかんで有名な「虎屋」
天皇にお菓子を納める「御所御用」を400年以上続けています。
ココで大切なのは「いつも同じ味」ということ。虎屋では
小豆は北海道産のものを使い、白小豆は群馬、茨城の農家に特に委託して栽培もしています。……かつて天候不順で小豆の値段が普段の年の三倍くらいに高騰した年がありました。外国産を使う方法もあったのですが、国内のものにこだわって頑張りました。一年や二年のことで虎屋のイメージを落とすわけにはいかなかったからです
虎屋 和菓子と歩んだ五百年 黒川光博著 新潮新著 p173
最高級の材料にこだわりつつ、「工場で大量生産」しているのですが……
御殿場工場では、工程の流れをあえて途中で切り、要所要所に人を置いてチェックをさせています。たとえば羊羹作りの仕上げは、表面に浮かぶ泡の状態、餡のたれ具合などが最後の見極めポイントとなります。ここではやはり職人の熟達した目が必要なのです。
虎屋 和菓子と歩んだ五百年 黒川光博著 新潮新著 p175
「いつもの味」を保つために、こんな努力をしています。
すぐ腐るので大変
商品を作っても、売る前に腐ってしまっては「金儲け」ができません。たとえば、手づくりの「豆乳・とうふ」は、冷蔵庫に入れても1日で腐ります。
自分でとうふを作って思い知りました。ですから、昔は「腐らない範囲」で商売をしたのです。
「添加物」「化学調味料」「プラ包装」で解決
けれども、それでは十分に「金儲け」ができません。そこで考え出されたのが
- 食品添加物
- 化学調味料
- プラスチック包装
コレを使えば「食品が長持ち」するんですよ~。
保存料で「工業的生産」が可能に
たとえば「とうふ」「魚肉ソーセージ」……昔は「フリルフラマイド」というオレンジ色の「合成保存料」を使っていました。だから、今のように殺菌密閉しなくても、常温で販売可能だったのです。
ただ、現在「フリルフラマイド」はとうふ・魚肉ソーセージに使用できません。「何が問題だったの?」「今は大丈夫?」という疑問には、あとでお答えしますね~
「いつも同じ」のために、作物の個性をぶち壊す
最近の野菜は「味が薄い」と思いませんか?
実際、化学肥料・化学農薬に頼る「工業的農業」では、野菜の味が薄く、栄養価が低くなっているのです。
そうやって大量生産された「薄い味の野菜」に「化学調味料」で味付け。そして「いつも同じ色」にするため「合成着色料」を添加。長時間腐らないように「保存料」を入れた結果、見た目がキレイで、強烈な刺激で「旨い!」と思わせる「加工品」が大量生産可能になりました。
軽くて丈夫な「プラ容器」で販売
そうして、工場で大量生産された製品は「プラスチック包装」で密閉。これで、遠い場所に運んでも大丈夫。何か月も「品質が変わらない製品」を大量生産できますよ~
おまけに「プラスチック容器」は使い捨て。自治体が最終的に処分してくれます。企業がお金を出して回収する「一升瓶」に比べると、「自治体が処分」は便利ですよね!
「金儲け」で失ったもの
ただ「大量生産」の裏には、こんな事実がありました。
便利な保存料は「毒」だった
先ほど紹介した「フリルフラマイド」は、その後「DNAと反応して突然変異を誘発する(変異原性がある)」ということで、使用禁止に。
実は、現在使われている保存料の中にも「食品成分と反応して、毒に変化した」という報告があります。
それでも、たくさんの「人工合成保存料」が使われ続けていますよね。
これ、消費者を考えての措置ですか?
すべてを「金儲け」につなげるグローバル企業
さらに、グローバル企業が
企業に便利な
- 大きさ・色などの外観
- 輸送用段ボールに入れやすい大きさ
農家に便利な
- 大型農機で一気に収穫できる
- 病害虫に強い
- 農薬耐性
こんな特徴を備えた野菜を「F1(一代交配種)」「遺伝子組み換え技術」で開発しました。
「大型機械で一気に作業ができる」「農薬散布回数が減らせる」など、農家想いの良い種みたいな印象を受けますが、この種は「毎年購入」する必要が。合わせて使う農薬の中には「耐性雑草」ができて
問題になっているものもありますよ~
さらに、遺伝子組み換えトウモロコシで「アナフィラキシーショック」が起きた例も。
「F1米」は、企業が他の米を混ぜて販売していました。
結局グローバル企業の「金儲け」の陰で、「農家」「消費者」が犠牲になっていませんか?
プラスチックの添加剤に「毒」
そして、製品保護に使われる「プラスチック」……ここからも「毒」が検出され、問題になっています。たとえば、消しゴムにも含まれる「フタル酸エステル類」
電気製品やカーテンなどに使われていた「ハロゲン系難燃剤」
これも、後になって「毒」だったと分かった「人工合成化学物質」です。
グローバル企業の金儲けが、一番の原因
大手メディアは伝えませんけど、結局こういう事ではないですか?
大量生産は「プラ」「電気」→石油のかたまり
グローバル企業が「金儲け重視」で工業的に大量生産した
- 食品
- 保存料
- 着色料
- 調味料
- 肥料
- 農薬
- タネ
ほぼすべて「プラスチック包装」されていますよね。
さらに、グローバル企業の工場は「ロボットで自動化」
ロボットは「電気」で動きます。つまり、日本の場合「火力発電所」で使う「石油」「天然ガス」が、今まで以上に必要ってことですよ~
そして、商品開発・分析・リサイクルにも「電気」「使い捨てプラ」。
プラスチックの「ケミカルリサイクル」。すぐできそうな感じがしますが、実際は加熱に「大量の電気」を使うし、劇薬を含む「大量の廃液」が出ます。勿論、作業する人は「使い捨てプラ」で完全防備……それも処理することを考えると、言われているほど簡単ではないのです。
結局、グローバル企業の「金儲け」で「石油・天然ガスの使いすぎ」に拍車をかけていませんか?
循環を無視した大量生産は、自然を破壊する
さらに、行き過ぎた大量生産は、自然破壊につながるんです。
グローバル企業が、ジャングルを切り開いて牛を大量飼育。違法伐採や悪臭が問題になっています。
けれども「小規模経営」だと、悪臭もせず、排泄物も肥料になり、すべてが循環するんです。
この本の著者 ゲイブ・ブラウンさんの「稚内市ぐらいの緯度にある農場」では
作物は
- 化学肥料なし
- 化学農薬なし
- 殺菌剤なし
家畜は
- 年中放牧
- 牛に穀物を与えない
- 抗生物質なし
- 駆虫剤なし
- ホルモン剤なし
- 予防注射なし
これで、全く問題ないそうです。よく考えたら「野生のエゾシカ」は一切投薬されていませんし、年中放牧。それなのに「増えすぎで問題」になっています。
グローバル企業自体が、環境破壊の原因
だから、自然の循環を無視して金儲けする「グローバル企業」の戦略が、地球環境を保全するわけがないのです。
そして「グローバル企業」から献金をもらっている「政治家」、天下り先をあっせんしてもらう「官僚」が、グローバル企業の意向を無視できるわけがないのです。
実際「消費者庁」には「厚生労働省」から役人が行くとのこと。消費者庁でグローバル企業に不利な政策を作ると天下りできなくなるそうですよ~
消費者団体の集会で、国会議員が詳しく説明しています。
ですから、自分の身を守るには「グローバル企業を利用しない」のが近道。
小規模な生産者と直接つながり、食べ物を確保しませんか?スーパーから「玉ねぎ」「玉子」が消えても、我が家には「いつもの値段」「いつもの量」が届いていましたよ!
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