食品の値上がりが続いています。
「この際だから、手作りしようかな?」と考える方も多いのでは。ただ、「手作りって……」こんな事を考えてしまいますよね。
- どれだけ安いの?
- 手間がかかるのでは?
- 添加物がないと、上手に作れないのでは?
そこで今回、「カレー粉からカレー」を作ってみて、市販ルーと「値段」「手間」「添加物」を徹底比較してみました。
この記事を読めば、「手作りは、安心安全、カンタンに作れるのね~」と実感できますよ!
今回作ったカレーは……
今回、作ったカレーはコチラ。
「手作りカレー(10皿)」と、「ハウス食品 バーモントカレー 甘口 230g(12皿分)」を作った時の単価を比較しました。
結果を先に言ってしまうと「手作りカレーは12円 カレールーは18円」で、手作りの方が30%以上お得。さらに、工夫次第で10円切ります!
そして、手間も大して変わらないんですよ。では、どうやって作ったのか、詳しくご紹介します。
使う材料は、ココが違う
カレー粉からカレーを作る場合、違うのは「ルー」。市販のルーは、一発で味が決まります。けれども、カレー粉の場合は、いろいろ補う必要があるんです。
〈味付け〉
- 砂糖
- 塩
- にんにく
- しょうが
〈旨味〉
- コンソメ
- 油
〈とろみ〉
- でんぷん(米粉)
どんなものをどれだけ使ったか、説明しますね。
味付けは、お好みで
味付けに使った調味料は
- 自家製梅ジャム(梅ジュースの果肉を煮詰めたモノ)
- 無添加ソース
- 森田醤油店のしょう油
- 塩
これだけです。それも、ジャムとソースは「作って1年経ちそうだから」「中途半端に余っていたから」早く使いたかったんですよね。
しょう油と塩は、常備品。だから、新しく買ったものはありません。
けれども、あえて単価を計算すれば……
梅ジャム:廃品利用だから0円
無添加ソース:422円/250mlを20ml使ったので、34円
しょう油:767円/1000mlを10ml使ったので、8円
塩:2100円/1000gを2g使ったので、4円
合計「46円」です。
旨味は、素材から引き出す
旨味は、調味料を使って素材から引き出せばOK。
- にんにく:しょう油漬け
- 肉:塩こうじ漬け
これで、コンソメは不要です。
油は不要
市販のルーには、油がたくさん使われています。
これは、カレー粉と小麦粉を炒め、とろみを出すのに必要なんですよね。ただ、今回はでんぷんでとろみを出すので、油は不要です。
その、でんぷん(米粉)。今回は511円/1000gの米粉を10g使ったので、5円です。
カレールーは18円 手作りカレーは12円だけど、9円も可能
今回使ったカレー粉はコチラ
ひと缶で、200皿のカレーが作れます。1355円/200皿なので、1皿7円。手作りカレーは10皿できたので、70円です。
つまり、手作りカレーの単価は46+70+5=121円/10皿。1皿あたり12円です。さらに、後で説明しますが、無添加ソースを使わなければ9円になります。
バーモントカレーは特売で198円(税込み213円)とすると、1皿あたり18円。つまり「手作りカレーの方が、30%以上安い」「工夫次第では、市販品の半額になる」のです。
手作りは、カレーのために買い物しない
ただ、手作りカレーの単価計算には「常備品は、計算不能」という問題があります。
「しょうが」「にんにく」は常備品。旬の畑から送られてきて、我が家で長期保存します。今回のにんにくは、4か月前に送られてきました。野菜ひと箱で2100円。だから、値段が分からないのです。
「塩こうじ」は、作るたび水加減が違うのですよ。この時の水加減が不明だから、単価計算ができません。
「梅ジャム」も、梅シロップを取ったあとの梅肉がもったいなくて、頑張って梅肉を集め、シロップで煮詰めたもの。1年前に作ったものがあったので、入れました。
「ソース」は、ビンの底に少しだけ残っていたのを使い切るために入れました。だから、なくてもよかったんです。
「米粉」は、お菓子作りのときに余ったのを入れました。なければ、自宅にあるでんぷんを入れていました。米粉より、でんぷんの方が安いですしね。
……こんな感じで、家にあるものを適当に入れて、味をととのえるのが「手作りカレー」なんです。
市販品を買うよりも、無駄がなくて経済的だと思いませんか?
手間がかかるのでは?
ルーを作るのに、手間はかかりません。
カレー粉と小麦粉を、炒めなくてもOK。肉と野菜を煮た後、スープを少し取って、そこにカレー粉をとかし、鍋に戻せばいいんです。
そして、水で溶いたでんぷんや米粉を加えて温めれば、トロッとします。
市販ルーにも「でんぷん」が入っています。小麦粉とデンプン、二重に使うのはなぜでしょうね。これって無駄だと思いませんか?
さらに、市販のルーは火を止めて、「固形ルー」を入れて、とかさないといけませんよね。手作りは「液体」なので、逆にその手間がなくなります。
カレー粉の方が、手軽だと思いませんか?
添加物や調味料は、必要最低限
基本的に、家庭料理に添加物は必要ありません。「大量生産」「大量消費」のために使われるのが、「食品添加物」だからです。
旨味に化学調味料は不要
たとえば、今回使った「森田醤油漬けにんにく」。
ココのしょう油は、材料を近隣で調達し、木の樽で仕込むんです。
こういうしょう油に「牛尾農園のにんにく」を漬けると、それだけで「うま味の塊」になります。
肉を「塩こうじ漬け」にすると、タンパク質がアミノ酸になるので、自動的にうまみが増します。
さらに「玉ねぎこうじ」を使えば、「スパイシーな甘み」も加わりますよ。
ちょっとした工夫で、旨味は家庭で調達可能。「化学調味料」「うま味調味料」は不要です。
そして、昔ながらの調味料を、今まで通りに保存すれば、食品添加物は全く必要ありません。
辛い?甘い?しょっぱい?
「カレーは辛い」と思いますよね。実は、市販のルーには大量の糖分が入っています。
原材料の表示順は「量が多い順」。つまり、小麦粉の次に、砂糖が多く使われているのです。
これに、「バナナペースト」「リンゴペースト」が入りますよ。さらに、トマト、粉乳、ローストオニオンパウダーに玉ネギエキス……その他の材料にも甘味があります。
だから、「カレーを食べると血糖値が上がる」のです。
私の場合、ごはんやうどんを食べた後は170ぐらいまで血糖値が上がりました。とくに大きく上がったのがカレーライス。
医者が教える食事術 牧田善二著 ダイヤモンド社 p121
そして、その甘味を打ち消すために、大量の塩分が入っています。
これに、「チーズ加工品」「粉末ソース」が入ります。多分、ペースト類にも塩分が入っているでしょう。
こうやって、味をととのえるのが「市販品」なんです。
「いつも同じ」を支える「食品添加物」
こんなにたくさんの調味料を使うのは、「市販品は、いつも同じ味にしないといけないから」。
野菜や肉には旬があります。たとえば、トマトの旬は夏。夏のトマトと、冬のトマト。味が全然違いますよね。
さらに、農作物には豊作もあれば、不作もあります。けれども、市販品の味、見た目はいつも同じ。これって、とても不自然だと思いませんか。
その不自然なしくみを支えるのが「食品添加物」なのです。
本当のカレーは「黄色」
カレー粉は黄色。茶色ではありません。普段使っているルーの原材料を見てください。「カラメル色素」が入っていますよ。
これは、その他の材料の色が変化しても大丈夫なように、メーカーに都合がよい色に調整しているからです。
「玉ねぎペースト」「トマト」……農作物は、いつも同じ色ではありません。もし市販のカレールーの色がコロコロ変わったら「不良品じゃないの?」「ここのメーカー、大丈夫?」と思われてしまいますよね。
だからメーカーは、カラメル色素で調整しなければいけないのです。
大量に均一だから、輸入品を使う
「国産の農作物を使わない」原因も、コレです。
国産の農作物は「多品種」「少量生産」。「大量生産」の大企業にとっては「扱いが難しい」のです。
その点、広大な農地で単一栽培される輸入小麦は、それに適した「遺伝子組み換え作物」ですから、品質が安定しています。
ただ、そのための犠牲が多すぎませんか?
カギを握るのは「消費者」
どんな「モノ」がお店に並ぶか……実は、一番大切なのが「消費者の目」なのです。
- 色が違ってもいい
- 大きくても、小さくてもいい
- 虫食いでもいい
- 有機栽培は、割高なのが当たり前
こういう視点で「モノ」が売れれば、企業もそういう「モノ」を作ります。結局は、「市民の行動次第」なんですよね。
ですから、安いモノを見たら「なんで安いの?」その裏を考えてみませんか?ひょっとしたら、「私たち、生産者、地球の健康」が犠牲になっているかもしれませんよ。
加工度が上がれば、価格差も広がる
実は「シナモンロール」で同じ比較をした結果、価格差が6倍になりました。
これは、「加工度の違い」。今回「カレールー」だけを比較しましたが、「カレーライス」になると、もっと価格差が広がります。
ですから、「加工度が低いモノ」を選べば、一般的には添加物、割高感が減少!だけど「手間がかかる」……この2つを天秤にかけて、上手に使い分けたいですね。
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