以前、流行した「塩こうじ」。

2010年前後、糀屋本店「こうじ屋ウーマン」こと、浅利妙峰さんが広めたのがきっかけです。
私は流行した当初から塩こうじを使っています。これが、本当に万能調味料。作り置き可能なので、色々なこうじを使い、自分で塩こうじを作り続けています。
そんな中で、いくつか気が付いたことがあるのです。それは、
「水、塩加減や、使い方はもっと自由でもいい」
ということ。自分の味付けに合わせて、調味料は自由に作ったり、使ってもよいのです。けれども初めは、「そんなこと言われても……」と思ってしまいますよね。
そこで今回は、塩こうじの作り方、使い方のアレンジ方法をご紹介します。
塩こうじの作り方
塩こうじの作り方は本当にカンタン。まずは道具をそろえます。
必要なモノは、これだけ
これを使います。ご自宅にあるものが多いのでは?
- こうじ
- 塩
- 水
- 鍋(ボウル)
- 保存容器
これを、どうそろえればよいのか、詳しくご説明しますね。こうじについては、ちょっと長くなるので、最後にまとめています。そちらをご覧ください。
塩 地物があれば◎
実は、塩にもいろいろあるのですよ。
ひょっとしたら、地元でもおいしい塩を作っているかもしれません。地元のこうじ、塩、水を使って、地元の食材を調理すれば、調和のとれた料理が出来上がるはず!
もちろん、近所のスーパーで売られている塩でも、全く問題ありません。
鍋は材料を混ぜるため
こうじと塩を混ぜるために、ちょっと大きめの鍋かボウルを用意してください。
こうじと塩をよくもむと、こうじがふんわりと温かくなります。そうやって、塩こうじを仕込んでもよいのですが、ただ混ぜるだけでも問題ありません。
保存容器は金属以外で
保存容器は、金属は避けた方がよいでしょう。こうじ菌の働きで、ちょっと酸性に傾くと、金属が溶け出てしまいそう。
こうじが発酵すると二酸化炭素が出るので、最初のうちは軽くフタができる容器がおすすめです。

私が使っているのは、近所の金物屋で買ったホーロー容器。
フタもホーローの容器だと、洗いやすくて便利ですよ。

これは容量750mL。シンプルで機能的です。
こうじ:塩:水=4:1:4 が基本
- こうじ 200g
- 塩 50g
- 水 200g
つまり
こうじ:塩:水=4:1:4
だと、大体うまくいきます。
ただ、季節、素材の関係もありますよね。水分、塩分量は自由に変えてよいのです。たとえば、浅漬けに使いたいときは上澄みを使いたいので、水分を多くします。

これは
- こうじ 500g
- 塩 200g
- 水 600ml
で作りました。
もし、ペースト状にしたければ、水を少なくして作ります。乾燥こうじを使うと、熟成途中に水が足りなくなることも。その時は、水を足して様子を見ます。
一日一度、全体的に空気を入れるように混ぜます。1週間で出来上がり。保管は夏は冷蔵庫、冬は室温で問題ありません。
もし、白カビが浮いてきたら、暑い証拠です。白カビをすくい取り、冷蔵庫で保管してください。
我が家では1か月で使い切るぐらいの量を作ります。こうじ菌は強いとはいえ、室内には雑菌がうようよしていますからね。あまり長時間、常温保管しない方が良いと思います。
塩こうじの使い方
大変便利な塩こうじですが、使い方次第で、持ち味を際立たせることも。その働きを理解して、自分なりにアレンジしてくださいね。
こうじの働きを知れば、アレンジ可能
こうじ菌は
- タンパク質を分解してアミノ酸へ
- 炭水化物を分解してブドウ糖へ
つまり、肉や魚をやわらかくして、うま味を増やしてくれます。
特に、野菜をうまみのある漬物にしてくれます。だから、浅漬けのモトを買う必要がなくなるのです。変化をつけたければ、昆布や唐辛子、柚子を入れればOK。調味料が減って、冷蔵庫の棚がスッキリしますよ。

浅漬けは、翌日に漬物の水分が上がるように、塩こうじ量を調節します。
ちなみにこれは「伊賀焼窯元 長谷園」の浅漬器なのですが

今は取り扱いがないようです。
最初から塩こうじの上澄みをたくさん入れる必要はありません。
白菜、きゅうりは水が出るので、翌日味を見て、塩か上澄みを足しても問題ありません。キャベツはあまり水分が出ないときがあるので、最初から上澄み多めでいいかもしれません。
まずは一度漬けてみて、12時間ぐらい様子を見ましょう。味見してみて、「水分が足りない」「しょっぱい」「薄い」などあると思うのです。その都度調整すれば大丈夫。足りないものを足して、全体的に混ぜ、漬け直してください。
そうすれば、その12時間後、美味しい漬物に仕上がっています。
これは……というモノも
炭水化物は分解されるとブドウ糖になってしまいます。なので、クレープなど生地をねかせたいモノには向きません。
パンも、発酵時間が長くなると膨らまなくなります。微妙な調整が必要です。
鶏のから揚げはおいしくなるのですが、焦げやすくなります。油の温度に注意してください。
こうじの種類
こうじは
- 生こうじ
- 乾燥こうじ
の二種類があります。
生こうじはあまり流通していない
生こうじはしっとりしています。そのまま食べてもほんのり甘く、大変おいしいです。ただ、日持ちがしないので、スーパーで見かけたことはありません。
こうじ屋にいくと、生こうじを購入できます。たまに百貨店で販売されていますが、冷凍庫に入っていることが多いです。
市販されているのは乾燥こうじ
スーパーで見るこうじは「乾燥こうじ」です。
パサパサ乾燥していますよね。米粒状の場合は、かなり固いので「大丈夫かしら……」と不安になるときもありますが、水で戻すと生き返ります。
こうじの入手方法
みそ、しょう油、酒作りにこうじは欠かせません。だから、こうじは日本中で作られています。ただ、いろいろ種類がありまして……
こうじは地物を探そう
自分が住んでいる場所の近所に「こうじ屋」があるかどうか、ネットで検索してもよいのですが、
- みそ屋
- 酒屋
- 観光案内所
でも教えてもらえますよ。最近は道の駅、マルシェなどでも販売されている時があります。
スーパーにもあるはず
特に秋、漬物を作るのにこうじを使いますから、地元のスーパーでも取り扱いがあるはず。お店の人に聞いてみましょう。
ぬか漬けの素の近くに置いてあるこうじは、たまに唐辛子入りのモノがあります。中身を確認して購入しましょう。
ネットでも可
糀屋本店の乾燥こうじも、ネットで購入可能です。

色々試してみよう
まずは、色々試してみましょう!最初は色々ありますが、失敗を生かして「我が家の味」を作っていきませんか?料理、お菓子に入れてみて、美味しければ今後も作って、結果みんなが健康になれば言うことありません。
口に入れて、目をつぶって、よく噛んで……食べ物がここまで来た道のりを感じられる食事が出来上がりますよ。
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