日本の主食は「米」です。
これがだんだん「パン」や「パスタ」に、おかずも「小魚」から「肉」に置き換わっています。
けれどもなぜ、急に置き換わったのでしょうか?「おいしいから」「手軽だから」それもあります。ただ、この変化には「巧妙に仕込まれた裏」があるのです。
※表紙の本は旧刊 現在購入可能なのは2023年新刊です
ここでは、『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』をもとに、現代にも通じている「食料事情の裏」を、詳しくご紹介します。
これを読めば、お金で情報が作られること、私たちが知らないうちに操られている事を、身近に感じられますよ。
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きっかけは敗戦
日本における食生活の転換のきっかけは第二次世界大戦の敗戦(1945年)です。戦争で日本は壊滅的に破壊され、連合国軍(主にアメリカ)に占領されました。
世界的にみると、この時点で2つの大問題が起きます。
- 国土荒廃による食糧難
- 東西両陣営の対立
アメリカは、直接攻撃をほぼ受けなかったため、大量に農作物を生産できました。一方ヨーロッパは農地が荒廃。農業どころではない状態です。
アメリカは豊富な農作物を武器に、ヨーロッパ諸国を西側陣営に引き入れる基礎を作りました(マーシャル・プラン)。
ヨーロッパが落ち着いたころに朝鮮戦争が勃発(1950年)。アメリカの農作物が、兵食として消費されました。
そして、朝鮮戦争が停戦にもつれ込むと(1953年)、アメリカの農作物が行き場を失います。
小麦が取れすぎたアメリカ
ただでさえ消費しきれない小麦を抱えるアメリカ。
さらに、1953、1954年は世界的に小麦が大豊作になりました。どこの国もアメリカの小麦を買ってくれません。
当時のアメリカ大統領はアイゼンハワー。その頃は農民の力が強く、「アメリカ大統領は農民票が決める」と言われていました。
農村出身のアイゼンハワー大統領は、膨大な小麦の在庫をどうにかしなければならなかったのです。
そうだ、西海岸から日本に運ぼう!
当時の日本は吉田茂が、いわゆる「バカヤロー解散」をした頃。
政局が不安定で、国民も飢えていました。
そんな時、アメリカから「食糧を供給しますよ」と言われたのです。アメリカからの条件を、食べ物と引き換えに受け入れました。
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この取り決めをまとめて「MSA協定」と言います。その時あった「警察予備隊」が強化され、後の「自衛隊」になりました。
なぜかというと……。アメリカは朝鮮戦争で膨大な損害を受けていましたので、これ以上軍事にお金を使えません。だから「アジアのことはアジアの人で」つまり、食べ物と引き換えに、日本に尻拭いをさせようとたくらんだのです。
投資は「長期的視野」が大切
この「食糧供給」は、こんなたくらみの「紐付き」。具体的には、こんな条件でした。
日本は「小麦60万トン」「大麦11万6千トン」を受け入れる。その売り上げ4千万ドルはアメリカが主に朝鮮戦争で使い、1千万ドルは日本がもらう。 さらに、その1千万ドルも「経済復興」に使用。「農業投資はダメ」。
アメリカは日本を「余剰農産物の最終処分場」と見ていました。だから、農業が復興しては都合が悪かったのです。
さらに、日本人の主食は「米」。アメリカとしては、このまま日本人に米を食べ続けられると困るので、長期的な対策を織り込みました。
日本にとっては「天の恵み」
MSA協定が結ばれたのは1954年。敗戦から10年近くたっていましたが、日本人は非常に飢えていました。
とにかく「食べ物」を!
そこに、アメリカから小麦粉と脱脂粉乳が大量に届いたのです。たとえ食べ慣れなくても、とんでもなくまずくても、生きていくためには必要です。
みんな必死に食べて、飲みました。
実は、この脱脂粉乳の配布は二段構えです。1949年から、ユニセフが脱脂粉乳を配り、1954年から「学校給食法」が成立。脱脂粉乳とパンの給食が全国的に始まりました。
最初は善意から、後は策略
1949年、ユニセフが脱脂粉乳を配ったのは「食糧難打開」のためです。しかし、1954年の「学校給食法」は違いました。これは積極的にパン食の優位性を説く運動の一環で行われたのです。
1960年、故 林髞(たかし)慶応大学教授の「頭のよくなる本」がベストセラーになりました。これは「米を食べるとバカになる」「アメリカ人はパンを食べたから強い」と流布する内容。
こうやって政府が有名人、メディアを使って市民を洗脳、間違ったコトを信じさせたのです。
だから給食は今も「パン」
その流れが続いているので、日本は自給率が低く、今でも給食はパンが主流なのです。
米の給食が始まったのは昭和50年代。減反政策は昭和44年から始まっています。
つまり、米が余っていても、パン給食をやめることができなかったのです。
昔のNHKが作った「NHK特集」
「そんなのウソだろう!」という人がいたら、この動画を見せてあげてください。
これは、『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』247ページでも紹介されている「幻のNHK特集」です。今までご紹介した内容が、そのまま動画になっていますよ。
そして、昔のNHKは、こんな素晴らしい番組を作っていたのですね~。
今は企業が食を支配
アメリカの国策で始まった「日本食文化の破壊」。今では、「巨大企業」が世界中で、地域の食生活を破壊しています。
利益のために食文化を破壊する企業
たとえばブラジル。伝統的なトウモロコシの家庭栽培が潰され、巨大アグリ企業によって遺伝子組み換え農作物、コーヒーなどの輸出農作物が大規模に栽培されています。
巨大食品企業は「ここはいける!」という地域を見つけると、膨大な資金を使って地域に溶け込む努力をします。
フィリピンでは「粉ミルクで賢い子に育てよう」というキャンペーンがありました。
東南アジアでは、商品が手軽に買えるように、小袋で販売されています。
こうやって、地域の味を「自社の味」に置き換えているのです。
企業が「おいしい」を作る
子どもの頃から食べた味は、大人になっても懐かしいものです。
そういう「生物としての本能」を利用して、子ども向けに商品を売り込むのです。学校給食をパンにしたのと同じ原理です。
使った肉はまずくて食べられたものではないけれど、添加物を駆使して子どもの大好きな味を作り出したのです。軟かさも子どもが2口、3口嚙んだら飲み込めるようなソフトなものを狙って作りました。また、真空パックで「チン」すれば食べられる「便利さ」も主婦に受けた要因です。
食品の裏側 安部司著 東洋経済 p40
こうやって主婦と子どもを取り込むのですね。ちなみに、このメーカーは「このミートボールだけでビルが建った」といわれているそうです。
もはや「おカネ病」
大規模な商売は、維持管理にかかる費用も大規模です。
第二次世界大戦前後のアメリカ農家は、大規模農業のために大型機械など、膨大な投資をしていました。それを回収するために、過剰とわかっていても農作物を作り続けるしかなかったのです。
ただ……
最近の日本でも、過剰とわかっていても増え続けたコンビニ。大量生産後、大量に廃棄された恵方巻、クリスマスケーキ。
廃棄を計算に入れた大量生産で、売り切れリスク回避。これも「おカネ病」ですよね。
「家畜のエサにしたから、無駄ではない」という話ではありません。家畜にコンビニ弁当を食べさせたら、死産、奇形が増えた、という農家の声もあります。
こういう仕組みが、私たちの「カンタン」「便利」を支えているのです。
政府、企業、組織に「おカネ病」が蔓延
最近、これと似た感触を受けるのが「新型コロナ騒動」です。
「イベルメクチンが効果的」と言われているのに、WHOが否定しています。
効果があるかわからない高額な「特効薬」ができ、
ワクチンを打っても感染します。
そもそも、そのワクチン自体、害があるとかないとか、いろいろ騒がれています。
日本では「ゲノム編集トマト」が開発されました。この会社は、トマトの苗を重度障碍児施設、小学校に無料配布しようとしています。
その際、会社の人がこんなことを公言しています。
この子どもたちを突破口とする食戦略をビジネスモデルとして国際セミナーで発表している。
2021年11月16日 日本農業新聞 今よみ より
その国際セミナーで使われたスライドがコチラ
パイオニアエコサイエンス Gene Edited ”Sicilian Rouge High Gaba” Tomato より 2023/12/23引用
「ゲノム編集」には、膨大な研究費が使われていますよ。その研究費も、元をたどれば税金です。 「ゲノム編集真鯛」の会社には、農林水産省の職員がレンタル移籍しています。
ここの記事を読むと、どれだけ税金が投入されているか分かります。
現代は、政府、企業、組織に「おカネ病」が蔓延しているのです。
「こんな現代を健康に生き抜くコツ」は、私たちが握っている
そんな状態の日本。国は国民を守りません。お金と引き換えに、長期的に、計画的にだまします。
ところが、その原因を作った企業は、被害が出ても因果関係が証明されないと言い張って補償をしない。もちろん、補償をしたところで、環境問題の場合は、元通りにならないことも多い。
人新世の「資本論」 斎藤浩平 著 集英社新書 p46
こんなことにならないように、情報の裏を読み、自分で調べる癖をつけませんか?
そして、調べたうえで、何を買うか決めるのは「私たち」。「納得できないモノ」は、買わなければいいのです。これからは、自分で調べて「納得できるモノ」を買いませんか?
たとえば、「固定種の自家採種野菜」。「自然栽培の野菜」。それを食べてのびのび育つ「鶏の卵」。
そういう農家、たくさんあるんですよ~
生産者から直接購入すると、スーパーから玉子・玉ねぎが消えても「関係なし」。実際、我が家には卵や玉ねぎが「同じ量」「同じ価格」で届いていました。
スーパー・コンビニの超加工品を買う必要はありません。日本には「乾物」があります。
たくさん取れた「旬の素材」を「自然乾燥」……気候風土に合ったものを食べるのが、最も「エコ」「SDG’s」「脱炭素」だと思うんです。
自分の生活に合う情報を調べて、即実践。「安全な食べ物が入手できて、農家も生き残れる」一石二鳥じゃないですか!
生きることを人任せにせず、自分でとことんこだわってみませんか?それが、「こんな現代を健康に生き抜くコツ」です。
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