【解説】消費者庁の圧力で「遺伝子組み換え」が「分別生産流通管理済み」に変化した本当の理由

知っていますか?遺伝子組換え表示制度 消費者庁 本物の食物

最近、お店で豆腐を買う時

成分表示に「大豆(遺伝子組み換えでない)」とあったのが

森永 国産大豆 絹とうふ 原材料 一部抜粋加工して2021/12/29引用

「分別生産流通管理済み」に置き換わっていませんか?

「なんで?」「逆に、分からないんですけど」と思いますよね~。ただ、ココにはおカネがらみの背景があるのです……。その理由を、詳しくご紹介しますよ!



遺伝子組み換え表示ができた背景

1990年代から、遺伝子組み換え作物が栽培され始めました。ただ、これは新しい技術。安全かどうか、だれも分かりません。

さらに、遺伝子組み換え作物には「特定の除草剤をかけても枯れない」「食べたら虫が死ぬ」という性質を持つモノも。

  • 除草剤で死なない植物って、どうなっているの?
  • 虫が食べたら死ぬって、人間が食べて大丈夫?

実際、アメリカではこんな「大事件」も起きていますしね。

こう考える人がいるのは当然です。

そこで、厚生労働省は、平成13年4月から遺伝子組換え食品の安全性審査を食品衛生法上の義務としました。

遺伝子組換え食品

詳細を、消費者庁のHPから一部を抜粋しますね。

消費者庁 遺伝子組換え食品 より  2021/12/29引用

つまり、ざっくりいうと

  • 流通過程で「遺伝子組み換え」と分けられた原材料を使っている
  • 大豆及びとうもろこしについては、5%以下の意図せざる混入を認める

こういう食品には「遺伝子組換えではない」と表示できるようになりました。これは、義務表示の隙間を狙ったというのか、苦肉の策というのか……。

ただ、

  • しょう油
  • 砂糖

こういうモノは「タンパク質が残っていない」という理由で「表示義務」がありません。

問題はあるものの、私たちが「遺伝子組み換えを避けたい」と思えば、ある程度は避けられるようになったのです。


それじゃ困る人がいる

けれども、遺伝子組み換えを推し進める巨大アグリ企業にとって、この表示はジャマです。消費者がどんどん買ってくれないと、カネ儲けできないからです。

ちなみに、遺伝子組み換えが安全かどうか、調べているのは「巨大アグリ企業」。書類審査はありますが、政府が自分で試験をすることはありません。

つまり、売る人が「安全だよ」といっているのを、政府が鵜呑みしているのです。


しかし、その書類に「不備がある」と思ったEUの科学者ジル=エリック・セラリーニが、自分で緻密な計画を立て試験をした結果、重大なことが分かりました。実験結果を論文にまとめ発表していますよ。

原発と遺伝子組み換え作物は非民主的だ
2012年9月、欧州は大混乱に陥っていた。19日に仏カーン大学のセラリーニ教授らの研究グループが、安全性が確認されているはずの遺伝子組み換えトウモロコシに発がん性があるという実験結果を発表したからだ。セラ…

この記事のリンクから、「セラリーニ論文」を見ることができます。この論文は、今でも巨大アグリ企業から大バッシングを受け続けています。

セラリーニがどういう人で、どんな実験をしたのか。知りたい方は、コチラをどうぞ。

これは、セラリーニさんの著書『「安全な食事」の教科書』

巨大企業のウソをばらすと、どこまでも攻撃される……。巨大アグリ企業の、カネにモノをいわせた攻撃がよく分かります。

これは、新型コロナと構造は同じ。どの業界でもカネがらみで、同じことが起きています。


こんな国際的取り決め、だれのため?

巨大アグリ企業はロビー活動の結果、TPPにこんな条項を加えました。

・TPP参加国がバイオテクノロジー農産物(GM農産物)を規制しないこと

・遺伝子組み換え表示義務を課さないこと

情報民主化プロジェクト by INYAKU.Net 社会を民主化するにはまず情報を民主化しよう! TPPとバイオテクノロジー企業 2022/7/18引用

これは、モンサントなどのバイオテクノロジー企業など1200の組織が構成するバイオテクノロジー産業団体(BIO)が、米国通商代表部に向けて送ったTPPに関するコメントの、ごく一部の要約です。下のブログからコメントのPDFを見ることができます。

Industry Trying to Use TPPA to Stop Labelling of GM Food | Scoop News
Industry Trying to Use TPPA to Stop Labelling of GM Food A biotech industry group in the US has been pushing for the Tra...

つまり、「遺伝子組み換えはでない」と表示できなくなったのです。


そして、「分別生産流通管理済み」ができた

この結果、苦肉の策のように「分別生産流通管理済み」という言葉ができました。

こちらに「知っていますか?遺伝子組み換え表示制度」というパンフレットがあります(2022/4/6に確認したところ、削除されていました)

一部抜粋すると……

消費者庁  「知っていますか?遺伝子遺伝子組み換え表示制度 」 より 2021/12/29引用 画像を一部加工しています


2023年4月から「遺伝子組み換えでない」などと表示するためには、100%遺伝子組み換えでないことを証明しなければなりません。

もし、巨大アグリ企業の人が、この表示がある商品を購入、分析して遺伝子組み換えの遺伝子が出た場合、大問題にされます。だから今後、「遺伝子組み換え」は自然消滅する運命かも……。




これからは「分別生産流通管理済み」が目安になります。遺伝子組み換え食品をできるだけ避けたい方は、「分別生産流通管理済み」「OKシードマーク」を目印にしてはいかがでしょうか。

OKシードプロジェクト
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このマークがついているものは、「遺伝子組み換え」「ゲノム編集」ではありません。植物の種、苗にも使える、民間のマークです。


行政が何もできないのであれば、民間の制度を利用して、自分たちの健康を守るしかありません。このマークも是非ご活用ください!





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