ホームセンターで手軽に変える「農薬」。
「裏の注意書き」を読んで使う必要がありますが、小さい文字でいろいろ書かれていますよね。読むのは本当に大変です。
けれども、あそこに「企業が言いたくない、面倒くさい事実」が書かれているのですよ!
そこで「説明書の見方」を、ココでご説明します。
農薬にも「用法・用量」がある
農薬も、人の薬みたいに
- 使っていい作物
- 使っていい時期
- 使っていい回数
が決められています。さらに、
- 畑で使える農薬
- 畑で使えない農薬(住宅地で使う)
という区別もあるのです。「裏の注意書き」には、こういうことが書かれています。
お店で買えるのは、だいたい化学合成された農薬
私たちが
- ホームセンター
- 100均
- 薬局
で見る農薬。大体は、化学合成された農薬「化学農薬」です。有機農業では使えません。
ちなみに、有機農業で使える農薬は「生産の原則」に沿ったものだけ。
有機農業は、生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムであるとされ、国際的な委員会(コーデックス委員会※注1)が作成した「ガイドライン※注2」に、その「生産の原則」が規定されています。
農林水産省 HP 有機農業・有機農産物とは https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/
ということは、化学合成された農薬と肥料は
- 生物の多様性をこわす
- 生物的循環を邪魔する
- 土壌の生物活性を妨げる
- 農業生態系を悪くする
可能性があると、コーデックス委員会が考えていることが分かります。
大丈夫?殺虫剤、除草剤には危険がいっぱい!
実は、これも「農薬」なんですよ。
- ドアノブに下げる虫よけ
- 蚊取リキッド
- ゴキブリを殺すスプレー
その中には、こんな「化学物質」が含まれていることも!
- 神経毒性があり、発達期の脳に対する悪影響が疑われるもの。
- 発がん性や腸内細菌への悪影響が懸念されるもの。
- 哺乳類への急性毒性があるため、EUでは登録抹消されたもの。
「海外では禁止だけど、日本では普通に売られている農薬」もあります。
蚊取り線香を使うと頭が痛くなる方はいらっしゃいませんか?それは「ピレストロイド」の影響かもしれません。ピレストロイドとは、除虫菊に含まれる「天然ピレトリン」をまねて作った人工化学物質です。
「天然化学物質」と「人工化学物質」……科学的には一緒に見えても、作用が違うのです。
殺菌剤も使い方が細かく決まっている
日本は湿度が高いので、殺菌剤をよく使います。たとえば、TPN(クロロタロニル)は、べと病、うどんこ病などの殺菌剤として登録されています。
TPN標準物質(純度99%)のSDS(安全データシート:取扱説明書みたいなもの)をみると
- 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性:区分2→眼に影響あり
- 皮膚感さ性:区分1→触ったらダメ
- 発がん性:区分2→発がん性物質?
- 生殖毒性:区分2→生殖能又は胎児への悪影響?
- 水性環境有毒性 短期(急性):区分1 水性環境有毒性
- 長期(慢性):区分1 →川に流したら魚が死ぬので水質汚濁防止法の「指定物質」になっている。
この記述は少ない方が、区分の数字は大きい方がいいのです。ですが「一般的な農薬」でコレですよ。
これを農家の方が、畑にまくのです。TPNを使った商品の一例がこちら。
取扱説明書には小さな文字で
使用の際は保護クリームをつけ、農業用マスク、手袋、不浸透性??衣類を着用する。作業後は直ちに体を洗い流し、洗顔・うがいをして衣類を変える。作業時の衣服などは他と分けて洗濯する
不鮮明すぎてよく見えませんが、こういう内容が書かれています。つまり、使う前に
- 保護クリーム
- 農薬用マスク
- 何も通さない手袋
- 農業用防除衣
コレを用意して着用。作業後はすぐ身体を洗い流し、洗眼・うがい 衣服を交換する必要があります。農薬散布、命がけですよ。そして、その農産物を、消費者が食べるのです……
だったら、もっと「やさしい農薬」を使いたいですよね。
有機農業で使える農薬
有機農業でも 使える農薬があります。法律で詳しく決まっていて……
- 植物エキス
- 岩を砕いたもの
- 灰
- フェロモン
- 植物を発酵させたモノ
こういうモノが、使用可能です。
エキスは自分でも作れる
有機農家の中には、「自分で農薬を作る」方もいます。
この本には、農家が実際使っている「お手製自然農薬」の作り方、使い方が詳しく書かれています。その中から、「農薬に対する考え方」をご紹介しますね。
殺虫剤という考え方がない
そもそも、有機農家には「殺虫剤」という考えがありません。
「有機無農薬栽培の野菜は、おいしいから病原菌や害虫も好むんだ」と思っている方がいますが、それは違いです。病原菌や害虫は必ず弱った株から発生します。なぜかというと、健全に生育したおいしい作物は、虫を寄せ付けない匂いや忌避成分、病気にかからないための抗菌・殺菌成分など、病害虫に対抗する力も強いからです。
自然農薬のつくり方と使い方 農文協 (2009) p2
葉面や根の周りには無数の有用微生物が共生していて、植物から栄養をもらう代わりに、拮抗作用によって病原菌の繁殖を抑え、作物を守っています。
自然農薬のつくり方と使い方 農文協 (2009) p2
この有用微生物を増やしてやることが無農薬栽培のコツです。
こういう、植物がもとから持っている力、生物界の循環を上手に使うんですね~。そのために、農家は手助けする、という感じでしょうか。
作物の状態、土の状態などを見て「予測」「防除」をするのが中心だそうです。
けど 殺虫剤、殺菌剤 というなら
有機農家は、その畑、作物に合った気候風土、虫などを熟知しています。その上で
- 酸に強い アルカリに強い
- 胞子が飛ぶ時間
- 虫によって運ばれる
- 湿気が好き 乾燥が好き
- 低温が好き 高温が好き
- しぼんだ花や枯葉が好き
経験上、こんな特徴をもつ病害虫がくる!と判断したら、それに効きそうな「手作り農薬」を使います。使用結果は、農業雑誌を使って情報共有。こうやって、有機農家は経験を積んでいるのです。
読めない、理解できないものは使わないのが一番
注意書きは読みにくいのですが、大切なことが書かれています。納得できるまで読んで、上手にお付き合いしましょう。
もし、それが面倒なら、使わないのが一番です。化学農薬は健康にいいものではありませんから。
【番外】実はいつも使っている殺菌剤
新型コロナの影響で殺菌剤もたくさん売られています。手の消毒にエタノール。純粋なエタノールは税金がかかるので、必ず何か混じっています。
だから、飲んではいけませんよ!
コメント