「輸入食品から基準値を超える残留農薬を検出」……こんなニュースを目にすると、「輸入食品って、大丈夫?」気になりますよね。
けれども、「残留農薬の種類は、どうやって決まるの?」「その決まりって、だれが決めるの?」色々疑問がわいてきます。
そこで、ココでは「ジャガイモ」を例に、
- 輸入枠拡大のプロセス
- 農薬と食品添加物の違い
- 残留農薬が緩和されるきっかけ
を、ご紹介します。
「輸入拡大」のウラには、必ずお金があることが分かりますよ。
農産大国アメリカの戦略
日本の輸入ジャガイモは、
- 乾燥ジャガイモ
- 冷凍ジャガイモ
- 生鮮ジャガイモ
- 加工用ジャガイモ
に分かれています。
そのうち、「乾燥ジャガイモ」は「マッシュポテトのもと」として
「冷凍ジャガイモ」は「フライドポテトのもと」として
以前から、日本で流通していました。ただ、「生鮮ジャガイモ」……スーパーで見たことありますか?ありませんよね。
アメリカは「生鮮ジャガイモ」を輸出したかった
アメリカは農業大国ですから、「加工用ジャガイモ」「生鮮ジャガイモ」を日本に輸出したかったのです。けれども、できなかったのですよ。
なぜなら、アメリカには「日本にいないセンチュウがいるから」。
米国ではジャガイモシストセンチュウ(英名:Golden Nematode)は1941年にニューヨーク州で初めて確認され、ジャガイモシロシストセンチュウ(英名:Pale Cyst Nematode、以下PCN)は2006年に初めてアイダホ州で確認された。ばれいしょの根に寄生するセンチュウは根を腐らせ、ばれいしょの生育不良および苗の枯渇をもたらし、放っておくと単収が8割減少することもある。
独立行政法人農畜産業振興機構 海外情報(野菜情報 2017年1月号)米国のばれいしょの生産および輸出動向(前編)より 2022/9/25引用
けれども日本政府は2006年、「アメリカからの強い要請」をうけて「加工用ジャガイモ」の輸入を条件付きで認めました。
その理由は、「2~6月はジャガイモ端境期で、ポテチ業界が困っていたから」らしいのですが……。詳しく説明しますね。
大企業が叫ぶ「イモ不足」の陰に、アメリカが……
2006年、日本政府はカルビー「広島工場、鹿児島工場」の2工場に限り、2月から6月までの期間限定で、加工用ジャガイモの輸入を認めました。
その理由はコチラ。
https://www.maff.go.jp/j/press/cont2/pdf/20060421press_7c.pdf
上記のPDFからの引用。コレ、アドレスが「農林水産省」ですからね。本当は「米国からの要請」なんですよ~。
そして、カルビーの案内が……文字小さっ。
これがきっかけで、カルビーは
2011年に米国農務省海外農業局と米国大使館から「自社の国産品ジャガイモ使用量を減らすことなく、米国産ポテトの輸入にご貢献されています」(米国農務省のWebサイト)と表彰されている。
ITmedia ビジネスオンライン ジャガイモ農家「補助金」の裏に、きたるべき“戦争”への布石 2022/9/25引用
カルビーは、アメリカと強いつながりを持っているのです。
日本の不作が追い風に
そして2016年。4つの台風が、北海道を襲いました。
企業が仕掛ける「祭り」
この時、収穫前の玉ねぎ、にんじん、ジャガイモなどの農作物の多くが、収穫不能に。そして翌2017年、「ポテチの危機」が起きたのです。
けど、これって……大企業主体の「お祭り」じゃないですか?
天災に便乗するアメリカ
そして2018年、アメリカから「通年で加工用ジャガイモを輸入しなさいよ」という圧力が重くなりました。
日本で「ジャガイモシロシストセンチュウが、初めて確認された」のにですよ。
ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)は、ばれいしょ等のナス科植物に寄生し、特にばれいしょ生産において被害を及ぼすことが知られています。
農林水産省 ジャガイモシロシストセンチュウに関する情報 より 2022/9/25引用
平成27年8月、北海道網走市内の一部のほ場において、ジャガイモシロシストセンチュウが我が国で初めて確認されました。
農林水産省では、平成28年10月より植物防疫法に基づく緊急防除を開始し、関係機関と協力の上、本線虫のまん延防止に努めています。
この原因を追究するのが、先ですよね。
着々と準備する、日本政府
アメリカの「加工用ジャガイモ」が輸入される中、日本政府は「生鮮ジャガイモ」受け入れ準備を、ととのえていきます。
ポストハーベスト農薬の審議が始まる
2019年、アメリカで使われるジャガイモのポストハーベスト農薬「ジフェノコナゾール」を「食品添加物」にするための審議がスタート。
しかし、なぜ「食品添加物」なのでしょう。
畑にまくのは「農薬」 収穫後にまくのは「食品添加物」
なぜかというと、「畑に生えている作物には、農薬=農薬取締法」「収穫したら、食品添加物=食品衛生法」と、分けられているから⬇️
呼び名が変わると、何となくイメージが変わりますけど、毒性は変わりません。
日本で認められていない農薬を、食品添加物に指定
2021年6月、「ジフェノコナゾール」が、ジャガイモの防カビ剤として「食品添加物」に指定されました。
これで、アメリカ産の生鮮ジャガイモにジフェノコナゾールが残留していても、日本に輸出できます。
こうして、通年輸入が可能に
2020年2月、日本政府は「加工用ジャガイモ、通年輸入」を解禁。
さらに、「食用ジャガイモの通年輸入解禁」も視野に入れていますよ。
何を買うかは、消費者が決める
「輸入農産物の規制緩和」には、大体このような裏があります。
さらに、日本はTPPに加入していますから、
「残留農薬、ホルモン剤まみれの農畜産物」が、これから日本に入ってきます。
それに合わせて「食品表示」も、訳が分からなくなってきましたしね。
本当に「何を食べれば安全なの?」……途方にくれます。ただ、打開策があるんです。それは
信頼できる農家から、直接購入したり
製造過程を全部公開している加工業者を選んだり
ココの醤油は完全国産 木の樽仕込み
できるだけ国産を使うメーカーを選んだり
素材から、自分で手作りしたり
プラスチック製品と電気はとても仲良し。脱プラするためには、家電製品を使わないのが近道でした。これから石油に頼れなくなります。薪ストーブを使うのなら、そこで料理をすれば一石二鳥!ここではガスを使って加熱調理する方法をご紹介します。
素性が分からない輸入食材を、できるだけ避けること。
面倒かもしれませんが、こういう事の積み重ねが、健康を支えるのです。
コロナ騒動で「政府の発言を鵜呑みにすると、大変なコトになる」って、分かりましたよね。そもそも、大企業や政府の言うコトがすべて正しければ、世の中に「公害」「薬害」はないはずですよ。
ですから、自分に関わることは、自分で調べ、納得してから利用しませんか?それが、これからの社会で健康に生きる秘訣です!
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