アベンテス社が開発した「スターリンク」という遺伝子組み換えトウモロコシがありました。
2000年、このトウモロコシを食べた人が
- 発熱
- 激しい下痢
- 皮膚のかゆみ
- 命に係わる発作
つまり「アナフィラキシーショック」を起こしたのです。この「スターリンク事件」、ココで詳しく紹介しますね。
これを読んで「遺伝子組み換え食品」「ゲノム編集食品」の事、考え直してみませんか?
スターリンクとは
「スターリンク」とは、アベンテス社が開発した「Btトウモロコシ」。つまり、「農薬成分を遺伝子に組み込んだトウモロコシ」です。
組み込んだタンパク質「Cry9C」は、極めて安定性の高いタンパク質。「ワシントン・ポスト」紙でも
「熱や胃液への強い耐性があるため、生体組織に過剰反応を引き起こしやすく、アレルギーの原因になる恐れがある」
Mark Kaufman “Biotech Corn Is Test Case For Industry” The Washington Post 2001/3/19 2022/10/19引用
と紹介されています。だから、用途が
- 家畜飼料
- エタノール製造
に限定されていたのです。
それを食べたら、発作が起きた
それなのに、スターリンクが「食用トウモロコシ」に混入。2000年9月、大事件を引き起こしました。
グレイス・ブースは、朝食でエンチラーダを食べたところ、突然発熱し、激しい下痢に襲われ、また唇がはれ上がり、声が出なくなったという事件を電話で語った。「死んでしまうかと思いました」とCBS放送の番組で彼女は語っている。
モンサント マリー=モニク・ロバン著 作品社 p362
日本でも、消費者団体が声を上げ、厚生労働省が市販品を検査した結果、市販の製品からスターリンクの遺伝子が見つかりました。
当時はすごく騒がれたのですが、
今では、忘れ去られています。
全品回収、多額の賠償金……
この結果、食糧販売業者は1000万個のトウモロコシ製品を撤去。アベンテス社はスターリンクを含むすべての製品、トウモロコシを買い取るのに、10億ドルを費やしました。
それでも、一度世に出てしまうと、ゼロにするのは不可能なんです。
アベンティス社の経営陣の一人、ジョン・ヴィクトリッチは、サン・アントニオ(テキサス)で開かれた北米製粉業組合の集会で、腹立たしげに言った。「残念なことに、答えは『ノー』です。食品中のCry9Cタンパク質の含有割合をゼロにしなければならないとしたら、けっして終わりません」
モンサント マリー=モニク・ロバン著 作品社 p364
だから、遺伝子組み換え作物を畑で作ってはいけないのです。
小麦は絶対ダメ!
「スターリンク事件」の影響はものすごく、全米で「遺伝子組み換えはイヤ!」という大きな流れができました。
そんな最中、モンサントは「ラウンドアップ耐性小麦」の販売計画を発表。それに対し、業者が猛反発しました。
CCB(カナダ小麦委員会)は2003年6月27日、モンサントと行政機関の同盟軍に対して宣戦を布告した。「遺伝子組み換え小麦を、カナダに持ち込まないことを約束させるために、私たちは死力を尽くすつもりだ」と、CCB代表エイドリアン・メスナーは宣言した。
モンサント マリー=モニク・ロバン著 作品社 p364
こんなこともあり、北米では遺伝子組み換え小麦が実用化されないのです。
それなのに、畑にあった!?
それなのに、2013年にアメリカで遺伝子組み換え小麦が見つかりました。
日本でも「オレゴン州の小麦は、一時輸入禁止」になったんですよ。
そして2018年には、カナダで遺伝子組み換え小麦が。
さらに、2019年には、アメリカでも。
米国農務省は、いかなるGM小麦も商業流通したという証拠はなく、米国ではGM小麦の商業栽培と販売はされていないと強調している。
農業協同組合新聞 国で未承認GM小麦-農水省追加検査 2019年7月18日 2022/10/19引用
一生懸命否定するのは、こういう背景があるからなのです。
遺伝子組み換え、ゲノム編集に共通する手法
最近「ゲノム編集」が話題になっています。
「手軽にゲノム編集できる」のがウリなのですが……。「遺伝子組み換え」「ゲノム編集」には、こんな問題点があるんです。
遺伝子組み換え操作で無数に入る「遺伝子」
遺伝子組み換えは、注入したい遺伝子をたくさん作って、遺伝子銃で作物に強引に入れます。だから、
- 遺伝子がいくつ入るか
- 遺伝子がどこに入るか
- 入った遺伝子が、どう作用するか
正確に把握できないのです。
「いいや、他にも違いがある。遺伝子組み換え綿花の苗は、ラウンドアップ耐性タンパク質しか生み出ださないわけではないんだ。遺伝子組み換えの操作によって、他の未知のタンパク質も生み出されているんだよ」
モンサント マリー=モニク・ロバン著 作品社 p296
その結果、綿花ではモンサントが宣伝するような収量を上げることができず、インドの農民が多数自殺する結果に。
これが、遺伝子組み換えの現実です。
ゲノム編集でも無数の「はさみ」を使う
ゲノム編集では「このゲノムを切りたい」とターゲットを決め、それを切る「はさみ」を作ります。
ただ、DNA中の塩基は膨大。目標のゲノムを確実に切るため、たくさんの「はさみ」を使うのです。その結果、変なモノが入ってしまうことが。
これは、専門家が徹底的に調査したから分かったこと。万が一「変なたんぱく質」があっても、見た目は一緒ですよ。
日本はモルモット?
「ゲノム編集食品」、実は日本が最先端を突き進んでいます。
世界的にみると、日本以外ではアメリカで「ゲノム編集大豆」があるだけ。さらに、その会社。現在株価が大暴落中なのです。
一時期「25ドル以上」だったのが、現在は「0.1ドル」ですよ。
結果、同社は作物商業事業から撤退。今後は「種子の生産と技術ライセンスのみ」に集中するそうです。
それだけ、アメリカ国民は「遺伝子組み換え」「ゲノム編集」を嫌っているのです。だってねぇ、何が起きるか分かりませんから。食べたくないですよ。
だから「ゲノム編集は日本が最先端」なんでしょうか?
新型コロナワクチンもそうですけど「私たちはモルモットですか?」と思ってしまうのです。
なお、遺伝子組み換えで有名な「モンサント」、遺伝子組み換え種子と一緒に使われる農薬「ラウンドアップ」。詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
引用記事の「モンサント」は、左側の本です。
遺伝子組み換えを避けたい方に
日本の食品にも、「遺伝子組み換え作物」がたくさん使われています。
- なたね
- じゃがいも
- だいず
- とうもろこし
- てんさい(さとうだいこん)
外国産の上記作物は、ほぼ「遺伝子組み換え」です。
国産を選ぶ
遺伝子組み換えを避けたい方は、「国産」を選びましょう。
ほのぼの印の砂糖は「北海道てん菜100%使用」です。
「分別生産流通管理済み」を選ぶ
TPPの関係で「遺伝子組み換え不使用」表示がなくなります。それに代わる表示が「分別生産流通管理済み」。
これからは、「分別生産流通管理済み」を目印にしてください。
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