「ゲノム編集」という新技術があります。これは、生物の遺伝子を切って、本来持っている性質を失わせる技術です。
日本が最先端をひた走る、夢のような新技術「ゲノム編集」は、未来の世界の「ひみつ道具」ではありませんか?そして、私たちは「のび太」みたいに新技術を使っていませんか?
ココで「ゲノム編集」を、分かりやすくご紹介します。難しい専門用語は、一番最後でまとめて説明しますよ。新型コロナワクチン同様、「ひみつが多い新技術」は、自分で調べて納得してから利用しましょう!
日本で入手可能な「ゲノム編集」食品
日本では「ゲノム編集」された
- ミニトマト
- トラフグ
- 真鯛
が、カンタンに入手可能です。
ちなみに、こんなに「ゲノム編集」動植物が流通しているのは、日本だけ。海外では、「アメリカの大豆油」があるだけなのです。

さらに、その会社。現在株価が大暴落。結果、同社は作物商業事業から撤退。今後は「種子の生産と技術ライセンスのみ」に集中するそうです。

あのアメリカでさえ、こうなのに。ちょっと不思議ですよね。
では、日本で「ゲノム編集食品」を作っている会社を、ご紹介します。
ミニトマト
サナテックシード株式会社が開発した、GABA高蓄積トマト「シシリアンルージュハイギャバ」

これが、「ゲノム編集」されたミニトマトです。
ホームページから購入可能。……ですが、高額ですよ。
「ゲノム編集」を商売で使う時は、「高額特許料の支払い」が必要なんです。この特許、日本人は持っていません。ですから、商品は高額、収益はごっそり海外に流れます。
トラフグ・真鯛
リージョナルフィッシュ株式会社が開発した「22世紀ふぐ」「22世紀鯛」

これが、「ゲノム編集」されています。
ちなみに「22世紀ふぐ」は、京都府宮津市の「ふるさと納税返礼品」でも入手可能(2022年10月6日現在)。

【ふるさと納税】22世紀ふぐ フルコースセット 【魚貝類・フグ・ふぐ・鍋セット・フルコース・とらフグ】
ただ、宮津市民の反応は、複雑なんです。

「安全性の確認」一切ナシ、世界初の「ゲノム編集魚」ですから。心配が尽きません。
天然ゲノム編集の代表例は「がん細胞」
開発した人は「私たちの体内でも、天然ゲノム編集が起きている」と言います。けれども、その代表例は「がん細胞」ですよ。
ただ、元気な人の体内では、がん細胞は免疫細胞に消されます。私たちは「ゲノム編集された細胞を消す機能」を持っているのです。
たまに、「消されない天然ゲノム編集」が起きることも。それが「突然変異」です。偶然起きることもありますが、「生物が選択するときもある」という説もあります。
たとえば、新型コロナウイルス対応で有名な宮沢孝幸先生。

先生の専門は「哺乳類と鳥類のウイルス」。「京大 おどろきのウイルス学講座」という本を執筆されています。
この本の中で、
生物は、ゲノムDNA量を増大させながら進化してきたのです。
京大 おどろきのウイルス学講義 宮沢孝幸著 PHP新書 p187
とあります。とても複雑な話なので、詳しく知りたい方は本を読んでください。ただ、生き残るためにウイルスを取り込み、自分のゲノムDNA量を増やし、進化してきたのでは?という考え方もあるんです。
昔の常識、今の非常識
そして、遺伝子工学の世界では、毎年新しいことが発見されます。
1遺伝子1タンパク質ではない
たとえば、以前は「1つの遺伝子から、1つのタンパク質」と言われていました。
現在では、「違う」と言われています。
村上和雄さんは筑波大学で高血圧の黒幕である「レニン」の遺伝子解読に成功した方です。そして、こんな実験をしました。
高血圧治療に役立つのではないかということで、その特定の遺伝子をつぶしたマウスを作成したところ、そのうち実験動物に顎がない奇形のマウスが生まれはじめたのです。
生命の暗号 村上和雄著 サンマーク文庫 p132
顎がないマウスは、呼吸ができずに死んだそうです。
DNAの塩基配列は人間が決めたものではありません。だから、操作してどんな影響が出るのか、正確に知ることはできないのです。
ノックアウトで分かった事実
また、「ゲノム編集の結果、DNAに変なモノが入っていた」という事例が確認されています。

この牛には、「ゲノム編集するために使った環状プラスミドDNAの構造全体の2つのコピー」が入っていました。
牛のゲノム編集をした会社は「完璧だ」と言っていたのに、FDAが詳しく調べたところ、異常が分かったのです。

これは、専門家が徹底的に調べて分かった事。私たちには調べようがありません。
自然淘汰の先に、現在がある
自然界では、何億年も時間をかけて遺伝子が変化しています。そして今、私たちが生き残っているのです。
ゲノム編集は5~10年では問題ないかもしれません。けれども、1000年後はどうでしょう。安全かどうか、だれも確認できないのでは?
それを「安全」「自然と同じ」と言い切るのは、あまりに考えが浅すぎます。
「現在安全」=「永遠に安全」ではない
実際、「手間がかからない」「安全だ」とされた遺伝子組み換えが、開発企業の説明ほどに効率的ではなく、「一緒に使う農薬に問題が見つかった」という例もありますよ。
このことから分かるのは、
- 企業はおカネのためにウソをつく
- おカネを積めば、法律が変わる
- 毒性があるモノも、安全と報道される
ということです。
「現在無料」は「将来の税金」
今、ゲノム編集トマトが「無料配布」されそうで、ふぐは「ふるさと納税返礼品」になっています。ただ、その「無料」の裏には「税金」が。

署名の説明文を読むと、ずいぶん税金を使っていることが分かります
これ、新型コロナワクチンと同じだと思いませんか?
新型コロナワクチンも「無料」ですが、「税金」が投入されていますよ。そして、数々の問題が指摘されても、「報道されない」ですよね。

医師が反対しています これ、報道されていますか?
私たちは、「無料」「理解できない新技術」「報道されない」には注意しないといけないのです。
科学技術は使っても、使われるな
さらに、ゲノム編集は遺伝子を切った後、どうなるかは「自然まかせ」。どんな塩基対が入るのか、欠けるのか、人間にはコントロールできないんです。
遺伝子組み換えで使われる農薬も同じ。「畑にまいても、微生物が分解してくれます」。あまりに無責任ではないですか?
「酒は飲んでも、飲まれるな」
ということわざがあります。今の私たちは、科学技術に使われていませんか?

おカネや自分の名誉のために利用できるかな
これでは、のび太と全く一緒です。

自然や未来に影響が出ない方法で
皆のために出来る事はないかな
自分に都合が良い事をした後は「自然まかせ」。のび太にはドラえもんがいますが、私たちにドラえもんはいません。
ですから、私たちはドラえもんのように「科学技術」を扱わないといけません。そして、「無料」「理解できない新技術」「報道されない」には、慎重にならないと。
何といっても「健康を害して苦しむのは、私たち」ですからね。
「ゲノム」に関する専門用語の説明
「ところで、ゲノムって何ですか?」……まずは、そこからご説明します。本当にザックリとした説明なので、厳密には違うことがあります。予めご了承ください。
- DNA(デオキシリボ核酸):細胞の核に含まれるモノ。「デオキシリボースとリン酸」が骨格で、「塩基対」が骨格をつなぐ「二重らせん構造」。
- 塩基対:「AとT」「GとC」と決まった組み合わせで対になる。
- 塩基:アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)の4種類。
「二重らせん構造」を、下の絵で説明しますよ。はしごの手すり部分が「デオキシリボースとリン酸」、足をかける部分が「塩基対」です。

人間のDNAは、塩基対が30億個ぐらい連なって作られています。その中に「遺伝情報を持つ部分」「それ以外の部分」があるんです。
- 遺伝子:DNAの中で、遺伝情報を含む部分
- ゲノム:遺伝子をまとめた言い方
つまり
- 塩基対が30億個、連なったのが「DNA」
- DNAの中で、遺伝情報を含む部分が「遺伝子」
- 遺伝子だけ集めたものが「ゲノム」
DNAには「遺伝情報を持つ部分」「それ以外の部分」があると、先ほどご説明しました。ただ、「それは違う」と考える人もいます。
「ゲノム編集」に関する専門用語の説明
ここで、ゲノム編集に関する専門知識をご説明します。
ノックアウト
特定の遺伝子が働かないように、遺伝子操作することです。塩基を取ったり、別な塩基を入れると、その遺伝子は働かなくなります。
オフターゲット
狙った遺伝子以外を操作してしまうことです。
ゲノム編集の時、はさみを数万個使います。切りたいところは1か所でも、数億の塩基対があるので、はさみをたくさん入れないと、狙った部位を切断できないのです。
そして、オフターゲットが起きます。
モザイク
受精卵をゲノム編集すると、「ある細胞はゲノム編集され、他の細胞はゲノム編集されない」という状態が起きます。
それがモザイクです。
胎児の頃から二種類の遺伝子が存在する生物……それがどう成長するのか、食べて安全なのか、全く分かりません。
動物福祉(アニマルウェルフェア)
動植物は人間の「可食部製造マシーン」ではありません。

人間は地球上の支配者ではありません。自然界で、循環の一部分として存在する生物の一種です。人間の都合で動物の自由を奪ってはいけません。それが、動物福祉の基本的な考え方です。
詳しくは、コチラのサイトをご覧ください。
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