「生協」「特別栽培」「無添加」の裏側。それでも、本当に安全?

食の闇

「安心・安全な食べ物」にこだわっていると、自信満々に勧められた食べ物でも「それ、私の基準ではちょっと……」と思う時があります。

  • こだわりの生協だから
  • 特別栽培だから
  • 添加物は入っていないから

それでも「遺伝子組み換え」「危険な農薬」が使われている可能性があるのですよ。

ココでは、食品の「要チェックポイント」を詳しくご紹介します。企業や組織の言うことを鵜呑みにするのは、本当に危険。何かあっても、具合が悪くなるのは自分や家族です。

「本当に安心・安全かなぁ」と自分で考える時、この記事を参考にしてくださいね!


こだわりの生協でも使われる「酵母エキス」

今まで色んな生協の組合員になりましたが、たいていの生協で「酵母エキス」を使っています。生協で取り扱っている実際商品の引用は気が引けるので……たとえば、こんな感じです。

「無添加」「植物由来100%」のカレー。原材料を見ると……

原材料: 植物油脂[パーム油(マレーシア)、有機べに花油(アメリカ)]、米粉[米(新潟)]、砂糖(鹿児島)、カレー粉(インド他海外)、食塩(メキシコ)、馬鈴薯澱粉(北海道)、酵母エキス(国内他海外)、りんご果汁(国内産)、トマトパウダー(スペイン他海外)、香辛料(インド他海外)

無添加 米粉でつくった本格カレールウ 135g より 2023/2/18引用

「酵母エキス」がありますよね。どうやって作られるか、知っていますか?


原材料に「遺伝子組み換え」?

「酵母エキス」の作り方は、コチラ

アサヒグループ食品
アサヒグループ食品ホームページ。アサヒ、和光堂、アマノフーズブランドの商品やキャンペーン情報、企業情報などをご紹介しています。

図を拡大すると……

アサヒグループ食品 酵母エキスとは より 一部加工して2023/2/18引用

「天然系調味料」の原材料に「ビート」が使われていますよね。ビートには「遺伝子組み換え」がありますよ。

独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC) GMO品種一覧 より 一部加工して2023/2/18引用

日本では栽培されていませんが、輸入品の流通は無制限。酵母エキスの原材料は、メーカーに問い合わせないと分かりませんよね。

そして今の法律では、そこまでの表示義務はありません。

グリホサートが残っているかも

「大麦」に遺伝子組み換えはありませんが、輸入品なら「グリホサート系農薬」が使われていますよ。

米国で訴えられて負けまくり、一般家庭市場から撤退した「ラウンドアップ」が安全だと思いますか?


酵母が「遺伝子組み換え」かも

そもそも、ココで使われる「酵母」「遺伝子組み換え」の可能性が。「ウチの生協では確認しています」って、本当でしょうか?

例えば、こんな事がありました。

遺伝子組換え菌を用いて製造した添加物(酵素)の公的審査手続きの未実施について|ニュースリリース

酵母業界大手の「天野エンザイム」が、EUに製品を輸出しようとした際、確認したら「酵母が遺伝子組み換え」と判明したのです。

EUには、厳格な「遺伝子組み換え表示義務」があります。

日本貿易振興機構(ジェトロ)遺伝子組換え食品規制調査 EU より 2023/2/18引用

ですから、EUに食品を輸出する際は「遺伝子組み換えではない」のであれば、その証明が必要なのです。それを取ろうとしたら、実は「遺伝子組み換え」でした……というのが、今回のオチ。

逆に言うと「国内流通分では、その必要がなかった」という事です。


【結論】想像できない原材料は、避けるのが無難

ですから「その酵母と原材料、本当に遺伝子組み換えではないですよね?」と、追究したくなるんです。ただ、それをいちいち確認すると、生協や小売店の負担になりますよね。だから「酵母エキス」入りの食品は、できるだけ避けています。

そもそも、自分でだしを取ったり、原材料を厳選すれば、酵母エキス抜きでも「おいしいカレー」は作れますから。

手づくりすると、断然お得!

「酵母エキス」「化学調味料の代替品」。口に入れた途端、うま味を感じるための薬品です。

化学調味料から抜け出すためのワンクッションだと思って、徐々に「酵母エキス」から卒業すると、本来の味覚が戻りますよ!


逆に危険な「特別栽培」

農作物を買う場合「農薬が少ないのが良い」と思いますよね。

けれど「有機栽培」は取り扱っていないお店もあるし、あっても高額。そんなとき「特別栽培」と聞くと「あら、特別なのね~」と良い印象を持つのでは?

たしかに「化学肥料5割削減」「化学農薬5割削減」かもしれません。けれども逆に「どんな農薬が使われたのか」調べたことはありますか?

「特別栽培」を知るには「慣行栽培(普通の栽培)」を知る必要がありますよ。慣行栽培だと「100回ぐらい農薬使用可能」な作物があるって、ご存知ですか?

そして、「特別栽培」で使われた農薬に、こんな名前は含まれていませんか?

  • クロチアニジン
  • ジノテフラン
  • チアメトキサム
  • ニテンピラム
  • アセタミプリド
  • イミダクロプリド
  • チアクロプリド

それは「ネオニコチノイド系農薬」という、「ミツバチを激減」「子どもの発達障害」の原因?と疑われている農薬です。

この農薬、洗っても落ちません。

みかんの皮と果肉の比較から見えるネオニコチノイド系農薬の浸透性2020
市販のみかんを調べたところ、ネオニコチノイド系農薬のジノテフランは、みかんの中身まで染みこんでいました。一方、同時に検出された有機リン系農薬のメチダチオンは、皮でとどまっていて、皮を除けばほぼ除去できてしまうといった特徴の差が見えてきました...

こういう農薬を使っていても、「特別栽培」を名乗れてしまうのです。


見えない農薬・添加物、たくさんあります

今の日本では、添加物の「見えない化」が進んでいるので、

どれだけ食品表示を見ても、添加物が入っている可能性があります。

たとえば、先ほど紹介した「無添加 米粉で作った本格カレールウ」を見ると、

原材料: 植物油脂[パーム油(マレーシア)、有機べに花油(アメリカ)]、米粉[米(新潟)]、砂糖(鹿児島)、カレー粉(インド他海外)、食塩(メキシコ)、馬鈴薯澱粉(北海道)、酵母エキス(国内他海外)、りんご果汁(国内産)、トマトパウダー(スペイン他海外)、香辛料(インド他海外)

無添加 米粉でつくった本格カレールウ 135g より 2023/2/18引用

パーム油:ヘキサン抽出の可能性

食塩:イオン交換膜で精製

酵母エキス:遺伝子組み換えの可能性

香辛料:……具体的に何が入っているんですか?

この他にも、慣行栽培の米やリンゴには「ネオニコチノイド」が使われますし、海外産のトマトに使われた農薬まで考えると……

こういう「加工品」には、何が使われているのか全く分からないのです。


超加工品は、想像を超える食品

つまり、どこで取り扱っていようと「超加工食品」「消費者の想像を超える加工をされた食品」だと、私は思っています。

だったら、食べないのが無難じゃないですか?

生協の実態は、いろんな本に書かれています。「食品の裏側」で有名な安部司さんは、色んな生協に関わっているのですが、こんな指摘をしていますよ。

 この生協間の温度差、つまり理事会の取り組む姿勢、方向性、組合員の意識が、商品の裏ラベルの添加物に現れているといえます。逆の言い方をすれば、添加物、農薬、輸入品を使えば組合員のニーズに応えられ、加入者が増えるということです。

食品の裏側2 実態編 安部司 東洋経済新報社 p177

どんな生協でも、商品(消費材)を開発した人の想いが反映されます。ただ時間がたつと、その想いが「時代おくれ」になることも。

そこに気が付き、訂正する生協もありますが、組織が大きいと……訂正に時間がかかるのですよ。

だから、こだわりの生協だろうと「情報を鵜呑みにするのは危険」。私は何度か「時代おくれ」を指摘しましたけど、生協が勉強して時代に追いつかないと、私の指摘が理解できないのですよね……。

だから「そういうモノは買わない」のが、お互いにとって良いのでは?と割り切りました。


こだわりの塊「良い食品づくりの会」

今は「良い食品づくりの会」の生産者・協力店を、積極的に利用しています。

こういうお店の方は、どんなに突っ込んだ質問をしても、丁寧に説明してくださいます。

逆に「こんなにこだわっているんです。もっと質問してください!」「新しい事を吸収したいので、何かご存知なら教えてください!」という熱気すら感じます。

商品に関する質問に「面倒な客だなぁ」という対応をする企業は、そこまでの商品しか扱っていない企業です。そんなお店に「心身を削り、頑張って稼いだお金を使うのは、絶対イヤ!」と、私は心底思っています。

そんな私がお世話になっている「良い食品づくりの会」……東京大学の鈴木宣弘教授も関わっているのですね~。

確実に「安心・安全な食べ物」が欲しい方は、ぜひ「良い食品づくりの会」のサイトをご確認ください!

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