お店に並んでいる砂糖。「種類が増えた」と思いませんか?
- 白色 茶色
- サラサラ しっとり
- 固体 液体
- ブドウ糖果糖液糖 果糖ブドウ糖液糖 異性化糖…
裏の表示を見ると、「理解不能なカタカナ」が書かれている事も。
「安全性なのかな?」「遺伝子組み換えは避けたい」「これって体に良いのかな」…毎日食べるものなので、心配が尽きません。
「心配をすべて解決たい!」スッキリしたくてとことん調べた内容をご紹介します。これを読めば、スーパーで迷うことがなくなりますよ!
砂糖に遺伝子組み換えは使わない!という会社がある
砂糖の原料であるビートには遺伝子組み換えがあります。ただ、遺伝子組み換えビートは日本で栽培されていません。だから、国産の砂糖を利用すれば、遺伝子組み換えは避けられます。
最近よく見る「国内製造」は国内で製造しているだけ。生産国の目安にはなりません。
ややこしいですよね~。
そこで、ココでは「国産の作物を使っている」もしくは「輸入しているけど、遺伝子組み換えではないものを選んでいる」会社をご紹介します。
ホクレン
ホクレン「てんさい糖」はスーパーでもよく見ます。
裏を見ると「北海道産てんさい ビート 遺伝子組み換えでない」と明記されていますよ。
スズラン印はホクレンです。これも遺伝子組み換えではありません。
北海道では、スーパーやコンビニでも入手可能です。
北海道糖業
「ほのぼの印」は北海道糖業。
この砂糖は、「ふるさと納税」でも入手可能です。

【ふるさと納税】【A-265】北海道オホーツク産ビート100% 上白糖10kg
この砂糖も、
もちろん遺伝子組み替え原料は、一切使用しておりません。
北海道糖業 HPより 2021/8/17引用
道内のスーパーで購入可能。「北海道みやげ」にしたら喜ばれるかもしれません(ちょっと重いけど)。
三井製糖
「スプーン印」は三井製糖 。
原料糖はさとうきびとてん菜から作られますが、そのどちらも遺伝子組換えではありません。
三井製糖 HPより 2021/8/17引用
また一部の弊社砂糖製品では原料糖では無く、さとうきび・てん菜から直接製造されるものもありますが同じく遺伝子組換えではありません。
輸入品を使っていますが、遺伝子組み換えは避けているんですね~。
氷砂糖もあります。
「シロップ作り」に欠かせませんよね。

「果実酒」にも使えます。
せっかく「無農薬の果実」を使うのであれば、ぜひ「遺伝子組み換えでない氷砂糖」を合わせてください!
さとうきび糖は
さとうきびには、遺伝子組み換えがありません。どれを買っても大丈夫。安心安全です。
ミネラル豊富、美味しいので「食べ過ぎ」には注意しましょう!
砂糖の色は安全の判断基準にならない
色で間違いやすいのが「三温糖」。一見健康そうですが、全く関係ありません。三温糖の意味は「三回温めた糖」なんです。
そもそも三温糖の語源の由来は「砂糖の汁を三度に積めて作る砂糖」と言う事でそう呼ばれるようになりました。
砂糖傳増尾商店 HPより 2021/8/17引用
実際、工場ではグラニュー糖などの白い砂糖が先に製造されます。
残った糖液にはまだ糖分が残っていますから、再び煮詰めて結晶にする工程を繰り返します。
このような工程を(3回から5回)繰り返し行うと加熱によって糖液に色が着いてきます。
原理的には砂糖を加熱したら色が着くのと同じで、この糖液からできるのが三温糖です。

スプーン印なので遺伝子組み換えではありませんが、未精製ではありません。こげて茶色になっているだけです。「健康っぽい」ということで上白糖に比べてちょっと高い値段設定になっていますが、
※「原料糖」は、さとうきび、てん菜から糖分をとりだし、結晶化したものです。
※工場によって「カラメル色素」を使用している商品もございます。カラメルは砂糖を原料としており、色を均一に仕上げるために使っております。
スプーン印 HPより 2021/8/17引用
あの茶色、「カラメル色素」を入れている場合があるのです。
「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」こんなちがいが
「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」
これは「ブドウ糖」と「果糖」の割合によって呼び方が変わります。そして、この二つをまとめて「異性化糖」と呼んでいます。
糖のうちの果糖の割合が50パーセント未満のものは「ブドウ糖果糖液糖」、果糖の割合ガ50パーセント以上、90パーセント未満のものは「果糖ブドウ糖液糖」といいます。
「カロリーゼロ」はかえって太る! 大西睦子 著 講談社+α新書 p96

この二つの糖は遺伝子組み換えトウモロコシからも、作られています。
実は、この方法(注:とうもろこしから糖を作る方法)は日本人が発明したんですよ。「シロップ」という名のとおり液体なので、ドリンクだけでなく、食品にも簡単に混ぜることができるのです。
この製法が1970年にアメリカに導入され、政府はトウモロコシの栽培に助成金を支給し、生産を後押ししました。そして、さまざまなドリンクに使われるようになり、異性化糖入りドリンクの供給が、どっと増えることとなったのです。
今では遺伝子組み換え技術の発達によって、とうもろこしを安く大量に生産できるようになりましたから、ますます異性化糖入りのドリンクが作られています。
「カロリーゼロ」はかえって太る! 大西睦子 著 講談社+α新書 p98~99
なので、「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」は、「遺伝子組み換えトウモロコシ由来」かもしれません。
液糖開発には社会的な背景がある
アメリカは、キューバから砂糖を輸入していました。1960年前後、キューバが社会主義国になったため、砂糖の輸入がストップ。困ったアメリカ政府が「日本人が開発していた手法」を採用、大々的に広めたという歴史があります。
この異性化糖は、日本の研究者が、砂糖の代替として、1960年代後半、世界に先駆けて大量生産の道を開いたものです。当時キューバ革命により砂糖を輸入できなくなった米国の大手清涼飲料メーカーがこれに着目して、世界的に売り出した結果、広く普及するようになりました。
独立行政法人農畜産業振興機構 異性化糖の話 2021/10/23引用
でんぷんを分解するだけ!
そして、この糖は「大企業に、とても都合がよかった」のです。
この異性化糖、聞き慣れない名前かもしれませんが、砂糖がサトウキビやてん菜を絞って作られるのに対し、異性化糖はとうもろこしやじゃがいも、さつまいもなどに含まれるでん粉から作られます。
独立行政法人農畜産業振興機構 異性化糖の話 2021/10/23引用
でん粉を分解してぶどう糖にした後、ぶどう糖の一部を酵素で果糖に変換(「異性化」)して異性化糖は作られます。
つまり「原材料が簡単に手に入る」「効率的で経済的な糖」だったのですね。
しかし、使われるでんぷんが遺伝子組み換えかどうか、私たちにはわかりません。成分表示がなければ、避けることもできません。異性化糖には、遺伝子組み換えを確実に避ける手段がないのです。
液体だから便利
未精製の砂糖を水に溶かそうとすると、必ず溶け残りが出ます。お湯だと溶けますが、時間がかかります。
けれども異性化糖は液体。その手間がありません。企業にとっては「効率的な糖」なのです。
「砂糖」と「異性化糖」のちがい まとめ
「砂糖」と「異性化糖」には、こんな違いがあります。
- 砂糖:ビート、サトウキビから作られる。遺伝子組み換えあり。企業名で見分けられる。
- 異性化糖:でんぷんから合成。遺伝子組み換えあり。見分け方は成分表示のみで、不明なことが多い。
砂糖やお菓子を選ぶ際、参考にしていただければと思います。
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