料理を作ると、こんな事ありませんか?
- 食べ切れず、中途半端に残った
- 食材が無駄になった
たとえば「ポトフ」「カレー」……ずーっとコレばかりだと、飽きちゃうんです。
そこでココでは、次々に料理を変化させる「展開料理」をご紹介します。ご飯をつくったら出る「ゴミ」も、次の料理の「原材料」に。
値上がりで大変ですよね~だから「捨てればゴミ 生かせば資源」……美味しく食べ切るコツをご紹介しますよ!
最初に作ったのは「ポトフ」
今回最初に作ったのは「ポトフ」
なぜ?というとニンジンが余っていたから!
あと「最近、魚ばっかりだったなぁ」「温かいモノが食べたいなぁ」……と思っていたら、ポトフに行きついたという訳。
ただ「洋風煮込み料理」は「大量のスープ」ができます。「コレは展開できるぞ」……イメージを膨らませながら、汁沢山のポトフを作りました。
ポトフの材料
今回使った材料はコチラ
- 骨付き鶏肉:適量
- にんにく:1かけ
- しょうが:1かけ
- ベーコン:適量
- 玉ねぎこうじ:適量
- 玉ねぎ:1玉
- にんじん:2本
- かぶ:適量
- 干しシイタケ:適量
……というか、野菜はあるモノを使ってください!
「にんにく」「しょうが」……長期保存には
- にんにく:みそ漬け
- しょうが:細かく切って冷凍
特に「みそ漬け」。みそが生きているので、消費期限無限大! 使わないときは、みそに漬けたり冷凍したり。 上手に使い切りましょうね~
「玉ねぎこうじ」とは、すりおろした玉ねぎに、塩とこうじを入れたモノ。
左が「玉ねぎこうじ」です
コレをお湯で溶くと「コンソメスープ」みたいな味に!だから、玉ねぎこうじを使えば、コンソメは不要ですよ~。
作り方
今回は、こんな手順で作りました。
- 骨付き鶏肉は、玉ねぎこうじに漬けておく。
- 干しシイタケは、水で戻しておく。
- 大きな鍋を熱し、油を入れてニンニクとしょうがを炒める。
- 3にベーコンを入れ、焦げ目がつくまで炒める。
- 4に鶏肉を入れ、外側をこんがり焼く。
- 5に野菜を入れ、野菜が半分漬かるぐらいの水を入れ、じっくり加熱。 丸ごと入れた玉ねぎに竹串を刺し、すっと通れば出来上がり。
大きな野菜は、適当に切り分けてくださいね。 お好みで、ハーブや塩、こしょうなどを入れましょう。
最後に「にんじんの葉」を散らしていますが、アレも手作り。
牛尾農園から野菜を購入した時……
にんじんの葉が付いたまま届いたので、干しておきました。
そして、大量のスープを半分だけ使ったのが「カレー」です。
固形ルー不使用「無添加カレー」
このカレーには、ポトフに入れたにんじんの「廃棄部分」を使っています。つまり
- ポトフスープ
- にんじんの廃棄部分
これを展開したのが、今回のカレーです。
面取りしたら、大量のごみが出ますよね。あれを全部入れたんですよ。
そして、ジャガイモがなかったので、大豆を水煮にして加えました。この「大豆の水煮」も、あとで展開しますよ~。
では、材料と作り方をご紹介します。
カレーの材料
市販の「固形ルー」は使わないので……
- ポトフのスープ:適量
- 玉ねぎ:2玉……すりおろし用と、具材用
- にんじん:2本……すりおろし用と、具材用
- 水煮大豆:適量……ジャガイモの代用→後日これも展開
- 余った野菜:適量
- 肉:お好みで適量
- カレー粉:適量
- でんぷん:大さじ2 トロトロにしたいときは増量
この他に、今回は 「アップルジンジャースパイスコーディアルの搾りかす」を入れました。
コレを入れると「リンゴとはちみつ」みたいな感じになります。
ただ
- しょうが:1かけら
- にんにく:1かけら
でも大丈夫。
甘さが足りないときは
- すりおろしリンゴ
- はちみつ
味にしまりがないときは
- 塩
- しょう油
- こしょう
- ミックスハーブ
などで、お好みの味に調節してください。
作り方
今回はこんな手順で作りましたけど、素材に火が通り、味が付けばいいんですよ!
- ポトフのスープに 「すりおろしにんじん」「すりおろし玉ねぎ」「アップルジンジャースパイスコーディアルの搾りかす」「水煮大豆」「余った野菜」を入れ、煮込む。
- 煮えたら、スープをおたま1杯分ぐらい取り出し、冷ましておく。
- 2にカレー粉とでんぷんを加え、よく溶かす。
- 2の鍋に3を入れ、火を通す。
- 4にプラいパンで焼いた鶏肉を入れ、味をなじませ、肉に火が通れば出来上がり
肉は最後に加えて、混ぜないのが好きなんです。だってね、やたら煮込んで混ぜまくったらガッチガチ、味がスッカスカ、形が崩れて……悲惨なお肉に!
あと、このカレーには「しょう油」を入れました。味がスッキリまとまって、大変おいしくなりましたよ~
このカレーが中途半端に余ったので、「カレーまん」「カレーうどん」を作りました。
生地から手作り「カレーまん」
まんじゅうの生地はパンと一緒。最後に「焼く」とパン、「蒸す」とまんじゅうになります。だから、ホームベーカリーの「一次発酵まで」を使えば、自分でも手軽に作れますよ~
では、材料と手順をご紹介します。
カレーまんの材料
材料は「生地」と「具」に分けてご紹介します。
生地
- 40℃のお湯:180g
- 酵母:5g
- 高橋孫左衛門商店の粟飴:ひとすくい
- 小麦粉:250g
- 砂糖:15g
- バター:10g
- 塩:ひとつまみ
つまり、パンを作るのと一緒。 ホームベーカリーで「一次発酵まで」メニューを使えば簡単ですよ!
小麦粉……今回は「明石農園の農家の小麦粉」を使っています。
この小麦粉は無農薬。イーストは菌ですから、影響を受けるのかもしれません。パンがフッカフカになりますよ!
高橋孫左衛門商店の粟飴……この飴、知る人ぞ知る、すごい水あめなんです。
数百年前の製法を守っている、完全無添加、国産の水飴。使うとパンがフワッフワになりますよ。
具
具は、結構シンプル。
- 中途半端に残ったカレー:適量
- ひき肉:適量
- しょうが:適量→なくてもいいです 今回使ったひき肉が「親鳥のひき肉」……味が濃いのですが、ちょっとクセがあるので、しょうがと炒めました。
この他にも、お好みで色々入れてみてください。
作り方
まずは、パン生地から仕込みますよ~
- 40℃のお湯180mlに、高橋孫左衛門商店の粟飴をとかす。
- 1に酵母を入れ、5分ぐらい置く。ぷつぷつ泡立ったら使用可能。 →本当はしなくてもよいのですが、ふっくらさせるために毎度「目覚ましの儀式」をします。
- 無水鍋に小麦粉、砂糖、2を入れ、まとめる。
- 3にバター、塩を入れ、15分こねる。しっとりして、もっちもちになればOK。
- 無水鍋に入れて、一次発酵。熱湯入りのヤカンを上に乗せ、40℃を維持する(今回は1時間静置)。……一次発酵の間に、具を作ります 。
- 熱したフライパンに油をしき、しょうがを炒めたらひき肉を2/3入れ、パラパラになるまで炒める。
- 6にカレーを入れ、水分を飛ばす。
- 7を大きめなボウルに入れ、完全に冷ます。
- 8に残りのひき肉、彩り用の緑を入れ、粘り気が出るまで練る。
- 9を小分けにして、丸めておく。 ……一次発酵が終わったので、成型します。
- 生地を小分けにして広げ、10を入れ、丸める。
- 11の下にクッキングペーパーを付け、蒸し器に入れ、15分蒸せば、出来上がり~
カレーをたくさん入れれば、辛くなります。 今回の量だと、そんなに辛くありません。 自分の好みに合わせて、お楽しみください!
そして、残ったカレーで「カレーうどん」を作りますよ。
あっという間にできる「カレーうどん」
「カレーうどん」は、素うどんにカレーをかけるだけなので、あっという間にできます。
カレーを温め、葉物野菜を入れます。煮込む間に、水溶き米粉(でんぷんでも可)を作ります。
1人分:水と粉を大さじ1ずつ。
米粉を使う時は 「製菓用の米粉」を使ってくださいね~
これを、カレーに入れてトロトロにしてから、素うどんにかければ「カレーうどん」になります。 とても簡単なので、カレーが余った時、ぜひお試しください。
でもまだ「ポトフスープ」と、カレーで使った「大豆の水煮」がありますよ……
大豆の水煮で「五目豆」「稲荷寿司」
「大豆の水煮」に「ポトフスープ」で味をつけ、子どもでも食べやすいように「稲荷寿司」にしたのがコチラ。
これも、完全無添加で作れます。
では、材料と作り方をご紹介しますね~
五目豆の材料
まずは五目豆から。
- 大豆の水煮:カレーで使った残り
- ひじき:適量
- 干ししいたけ:適量
- きんぴらごぼう:適量
- ポトフスープ:適量
- 調味料:お好みで
きんぴらごぼう……これも常備菜で作り置きしています
調味料……安部ごはんの「濃縮つゆ」でもいいですね~
今回は「稲荷の油揚げを煮たダシの余り」を入れています。
五目豆の作り方
手順はこうなのですが、五目豆と入り組んでいますから、動画を見た方がカンタンかもしれません。
- ひじきと干ししいたけは、水で戻しておく。→ココで出た「戻し汁」は、稲荷で使います。
- 大豆の水煮はポトフスープで煮て、下味をつけておく。
- 戻ったひじきに火を通し、2に入れる。
- 食べやすい大きさに刻んだ干ししいたけ、きんぴらごぼうを3に加える。
- 稲荷の油揚げを煮たダシを入れて、味をととのえたら出来上がり!
これに、稲荷寿司が絡みますよ~
稲荷寿司の材料
稲荷寿司は……
- 油揚げ:適量……好きな量で作ってください
- 砂糖:適量
- しょう油:適量
- 硬めに炊いた米:適量
- 五目豆:適量
砂糖・しょう油は、安部ごはんの「濃縮つゆ」でもOKです。
寿司酢も、味を見ながら無添加で作ります。
- 酢:適量
- 砂糖:適量
- 塩 :適量
「酸っぱいのはイヤ」 「砂糖が溶け残る」 という方は、火を通せば酸っぱいのが飛ぶし、砂糖が溶けます。
最終的に、味見して「美味しい~」と思えばいいんです。今回の場合、五目豆と混ぜてから、味が足りなければ適当に「濃縮つゆ」「酢」などをたせばOKですよ!
稲荷寿司の作り方
五目豆を使って、稲荷寿司を作ります。
- 油揚げはお湯に通し、箸でしごいて好きな大きさにカット。袋状にしておく。
- 五目豆で使った、ひじきと干ししいたけの「戻し汁」を、砂糖としょう油で味付けし、1を煮込む。
- 2をバットに取り、余分なだしをしぼり出す。→これを五目豆の味付けに使います。
- ホーローのボウルに酢、砂糖、塩を入れ、火にかけ、寿司酢を作る。
- 硬めに炊いた米に4をかけ、扇ぎながら混ぜる。湯気が落ち着いたら「五目豆」を適量加え、混ぜる。
- 2に5を入れれば、出来上がり!
……こうすれば、お互いの「廃棄物」が「素材」になります。食費が浮き、ごみが減り、冷蔵庫もスッキリ!
最後のスープで「鍋」
最後、残ったポトフスープで「鍋」を作りました。
味が足りなければ、しょう油などを足せばOK!
この鍋、締めのラーメンが劇的に美味しいんですよ!もうねぇ、市販の「鍋の素」なんて食べられません。
その時使うのが、このラーメン。
藤原製麺の「鍋〆ます!ラーメン」は、使用している小麦粉が
- 3/4:北海道産
- 1/4:北米産
だそうです。(2022年10月現在)
そして
- 消費期限が300日:油で揚げていないので、長期保存可能
- コシがしっかりあるので、煮込んでもヘニャッとしない
- スープが付いていないから、ムダがない!
私は箱買いして、備蓄しています。
※展開する際、守るべき事※
ただ、ココで1点だけ注意!
無添加の「昔ながらの調味料」や「有機食材」を使いましょうね~。じゃないと、使い回しているうちに、変な味になることが!農薬を濃縮して食べ切るのって、逆に不健康ですよね。
たとえば、野菜は「小規模農家から直接購入」
砂糖は「遺伝子組み換え不使用」できれば「未精製」
塩は「イオン交換膜不使用」
……ネットで探したり、道の駅でチェックしたり。自分に合う生産者を探しましょうね~
そうしているうちに、実は「食料危機」に対応できている事に気が付くはず。
大企業が作る「○○の素」「調味料」……これがなくても、美味しいご飯は作れます!
【後日談】展開は、まだまだ続く……
大量に作った「五目豆」は、「水切した豆腐」をすり鉢でゴリゴリしてから
「五目豆」を入れて
混ぜれば
「白和え」の出来上がり!レタスを添えたら、サラダみたいでしょ!?
ちなみに、白和えに小麦粉を入れて揚げれば「がんもどき」になります。ですから、自分の発想で、自由にご飯を作ってください。美味しければOKです!
コメント
物凄く勉強になりました。
技術や方法なども素晴らしいですが、根本的な考え方が良いインスピレーションになりました。
素晴らしいです👏👏👏
長文なのに、読んでいただきありがとうございました!
食べものを作るとき、食材と話しながら作業をすると、いろんなモノができるんですよ……って書くと、怪しい人と思われそうですけど。
元気な食材は、話しかけてくれます。そしたら、こんな感じになりました。